
人事部の証言! 報われる努力の仕方、教えます。
あなたが知らない「評価のモノサシ」の中身
成果を出す社員と出せない社員はいったいどこが違うのか。有力人事部が成果を出す社員の働き方、考え方を明らかにする。
ジャーナリスト 溝上憲文=取材・構成
食品 実力を発揮する社員を性格面から捉えると、「自分を客観視できる人物」が一番だと思う。事象を素直に受け止めることができるから原因分析に誤りがなく、先達の知恵やライバルの動きに学んで積極的に難局を乗り越えようとする態度がある。そうした経験の蓄積から実戦的なアイデアもたくさん出る。逆に実力が出せない社員は、独善的なタイプが多い。人のアドバイスもあまり聞き入れようとしないし、周りの協力も得られない。
流通 いるな、そういうタイプ。上司としても、また勝手なことをしやがってと思うし、職場でも孤立してしまう。
食品 知識・スキル面から捉えると、専門分野を持つスペシャリストがいると上司としてもありがたいね。バランスよくいろんな分野に通じている部下も存在価値は高いが、難局にこそ、専門的な知識と知恵が頼りになる。即断が求められるときに「今から調べます、試してみます」というのではチャンスを逃す。どんな分野でもいいから、1つの分野に強い人間は上司の目を引きつけやすい。
機械 やはり成果を発揮するタイプかどうかは、危機的状況のときこそ見極めることができる。職位が高くなるにつれてそれは顕著に表れる。係長より課長、課長より部長のほうが危機に直面したとき対応で使える、使えないがはっきり出てくる。学歴や人脈にあぐらをかいている者や単なる好々爺では務まらないのが今のビジネス環境だと思う。
伸びる社員と沈む社員の分岐点
IT この社員は伸びるな、この社員は伸びないなという見極めは私の経験で言えば、係長ぐらいから出てくる。年齢で言えば30歳前後で明確に違ってくるね。伸びる社員というのは見識も広く、意志も強い。チームワークで仕事をする際に人の話の理解力もあるし、自分なりに仕事を組み立てることができる力を持つタイプ。新しい仕事にも果敢に挑戦し、それをクリアしながら自分を磨いていける人間だ。一方、伸びない社員というのは、やらせても時間がかかる。その結果、いい仕事も回ってこない。そのうち自分はそんなもんだという意識になってくる。まあそこそこやっていれば、いつかは課長ぐらいにはなれるだろうと考えているタイプだね。実際、どこまで偉くなりたいという目標もなく、まあ給与ももらえているし、生活もなんとかなるし、いいんじゃないと考えているタイプも多いね。
食品 同期の社員で伸びていくタイプとそうでないタイプの分岐点は、入社3年経過後からじわじわと現れてくる。そして出世していくかどうかは、課長任用時から3年間の実績がその先に抜けるか止まってしまうかの最終的な岐路となる。彼らを見ていていつも考えるんだが、ビジネスマンには野心家、エリート、凡人の3タイプがいる。野心家の動機は自らの発意であり、エリートは上司の指示・命令による、凡人は生活者としての欲求からモチベートされると思う。伸びていく社員というのは野心家が多い。一発当ててやるぞとか、善し悪しは別にして、ある意味で山師的なタイプは伸びていく。
溝上 憲文
ジャーナリスト
みぞうえ・のりふみ●1958年、鹿児島県生まれ。明治大学政経学部卒業。経済誌記者などを経て独立。経営、ビジネス、人事、賃金、年金問題を中心テーマとして活躍中。著書に『年金革命』『隣りの成果主義』『団塊難民』『会社を利用してプロフェッショナルになる』などがある。
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