
人事部の証言! 報われる努力の仕方、教えます。
あなたが知らない「評価のモノサシ」の中身
成果を出す社員と出せない社員はいったいどこが違うのか。有力人事部が成果を出す社員の働き方、考え方を明らかにする。
ジャーナリスト 溝上憲文=取材・構成
機械 でも実際に、そんなきれいごとを言っている会議はほとんどないよ(笑)。
電機 話はちょっとそれるけど最近の若い人に苦言を呈したいことがある。よく自分の専門性をいかに高め、それでどう勝負するか、なんていう言い方をするが、そんなに世の中簡単ではない。たかだか5年間会社にいて自分の価値が高まったという程度はたいしたレベルじゃない。その程度では優秀な人間ならすぐに追いつくレベルで、本当の価値は10年、20年かけて身につけるものなんだ。専門性というのは経験を重ね、壁にぶち当たり、修羅場をくぐり抜けることで成長し、習得していくものだ。
流通 課長、部長と出世すればするほど唯我独尊タイプになる人がいるが、これはだめだな。本当は上に行けば行くほど、部下の言うことをちゃんと聞くという姿勢を持たないといけない。偉くなるとうっかりそれを忘れてしまうタイプが多い。部下は言うことを聞くし、自分の意見が通りやすくなることで慢心する。出世するほど立場をわきまえて、より謙虚に振る舞うことだ。それを忘れた責任者は裸の王様になり、結局誰もサポートしてくれなくなる。結果的にそれ以上出世できなく、部長どまりという例も結構ある。
不採算部門から復活する方法
食品 仮に不採算部門に配属されたとしても、生き残り策がないわけではない。たとえば製造・販売・サービスの一体運営に変えるとか、職場を分社化するとか地域に密着した営業展開を進めるとか、さまざまな打つ手を自分なりに真剣に考えてやってみることだよ。誰もが撤退するしかないとみている事業ならばなおのこと、見事に黒字転換が果たせれば、それだけで注目度は高くなる。そうなれば本社の目に留まって返り咲きを果たすことも十分に可能だ。
機械 うちもある事業に相当な投資をした結果、赤字続きで儲からない部署があった。そのうち社員の志気も下がるし、売却したくても値もつかないという状態が10年以上も続いた。ところが市況が変化し、取り巻く環境が好転して採算が取れるようになり、今は黒字に転換している。だからたとえ赤字の部署にいても、今だめだから永遠にだめということはないし、諦めないことも大事だ。もし、事業が廃止になっても会社を首になることはない。そうではなく、まかり間違えば大化けする可能性があると思えば、信念を貫いてやり続けることが本人にとってもプラスだと思う。
食品 たとえば、うちにも部下の不始末で地方の支社に左遷された40代半ばの課長がいた。しかし、彼はいじけることなく支社で一生懸命仕事をした。あるとき駅の売店に会社の商品を置いてもらえば売り上げも伸びるのではというアイデアが浮かび、いろんなルートを使って販売したところ、それがうまく当たり、売り上げも急拡大したんだ。その功績もあったんだろうが、本社に戻り、今は執行役員をしているよ。
溝上 憲文
ジャーナリスト
みぞうえ・のりふみ●1958年、鹿児島県生まれ。明治大学政経学部卒業。経済誌記者などを経て独立。経営、ビジネス、人事、賃金、年金問題を中心テーマとして活躍中。著書に『年金革命』『隣りの成果主義』『団塊難民』『会社を利用してプロフェッショナルになる』などがある。
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