
相場暴落でレバレッジ系マンション大家さんの悲鳴
バブル期にもてはやされた投機的な売買より、長期的な家賃収入が目的の「サラリーマン大家さん」が増えている。
ライター 大正谷成晴=取材・文
東 悪徳業者にカモにされたというケースも聞きます。ある相談者に聞くと、築10年の区分所有の3戸を30年のフルローンで売ってくれたのですが、なんと利回りは6~7%程度。さらに自宅を抵当に入れられて……。自己資金ゼロとはいえ、あまりにも悪条件です。こうなるとほかで好条件の物件を買って、利回りを相殺させるしか解決方法はありません。
ほかにも、利回りは13~14%もあるのですが、築30~40年の2物件、しかもひとつは再建築不可のものを買ったという相談者もいました。なんとかキャッシュフローは出ているものの、こういった物件は転売できません。建物としても寿命が残り短く、投資という面ではハイリスクです。さらにこの方は、物件の購入資金を消費者金融から賄っていて、これだと次に物件が欲しくなっても、金融機関は絶対に貸してくれません。
編集部 闇雲に買うと危険ですね。山川さんのお話にもありましたが、不勉強なまま始めてしまう方が多いのでしょうか。
東 やはり、それなりに知識を蓄える必要はあるでしょう。とはいえ、勉強ばかりでも問題です。不動産投資の勉強を10年もしているのに実践経験はゼロという50代の相談者がいたのですが、これでは単なる頭でっかち。勉強を重ねたなら「脳内投資」に明け暮れるのではなく、身銭を切ってトライしてほしいですね。
山 本も読まずセミナーにも参加しない「にわか不動産投資家」のなかには、失敗している人もいると思います。ただしこれは市況云々以前の話ですけどね。
東 何でも自分でしなければと思い込み、まさしく「大家」になろうとする人がいますが、それも間違いです。首都圏在住のある投資家は、山梨県にある所有物件にインターホンを設置するため、みずから車を走らせたと誇らしげに言うのですが、これこそムダの極み。材料費はもちろん、往復のガソリン代や高速代にどれだけかかるか。それより、現地の管理会社に任せたほうが明らかに安上がりです。そのためにお金を払っているのですから。
編集部 すべきことを見極めないと、いい大家にはなれないのですね。最後に今後の市場についての考えをお願いします。
山 不動産投資は外部環境の変動に強いのが特徴。先ほども言いましたが、「相場」でなく「採算性」で投資する人が生き残っていくのだと思います。
東 不動産投資は富裕層向けの資産運用になってしまうかもしれません。融資が厳しくなる限り、これまでのように、資産のない一般人が取り組むのは難しくなるのでないかと心配しています。
赤 どちらかというと、これまでのバブルな状況が例外で、今後は、いまのような状況がスタンダードになるかもしれません。もちろん金融機関にとって不動産向け融資自体は依然重要でしょうが、投資家の選別はますます進めると思います。
サブプライムの影響は軽微でも、厳しさを増す個人の投資事情。「今後、資源高などの恩恵でお金をだぶつかせたアジアの富豪が日本の住宅市場に進出してくる可能性も高い」(赤池さん)との声も。資金力が試される局面だけに、そんな周辺環境にも気配りが必要だろう。
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