沸騰!匿名座談会
2008年 10月 8日

人事部の証言「同じ年齢で年収は2倍違う」

ここまできた!成果主義人事による苛烈な処遇の差

「(同期の間でも)すでに2倍ぐらいの格差がついている」――。多くの企業に成果主義が急速に浸透している。

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同年代でも800万円の格差

流通 うちは年功序列賃金を完全に廃止し、降格もある制度に改め、賃金も下がる仕組みを入れている。それでも非管理職である組合員層は組合に守られているので賃下げによる不利益変更はそう簡単にできないが、管理職層は関係ない。今までのように給与が上がるだけで下がらない仕組みでは最悪、会社もつぶれてしまう。そうなれば社員も職を失うことになるし、そうならないためにはぬるま湯的仕組みではいけない。年輩社員で仕事をそつなくこなしていても、それより優秀な若い社員が頭角を現せば、年輩社員を降格させている。あくまで年齢に関係なくフェアに評価するわけだから落ちるのは仕方がない。若手もシニアもチャンスは同等であり、そのなかで自由に競争し、もしシニアが敗れたら降格もありうるし給料も下がりますよ、と言っている。

今、どの程度会社に期待され、どれだけ貢献しているかという時価主義で払うのは当然だ
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今、どの程度会社に期待され、どれだけ貢献しているかという時価主義で払うのは当然だ

サービス うちも同じだ。それとやはり大事なのは優秀な若手を登用し、それに見合った報酬を支払うこと。そうはいっても若手にたくさん支払い、なおかつ年輩社員がそのままでは人件費が持ち出しになる。今はたいして仕事していなくても、昔は優秀で活躍してくれたからその延長線上で払いますというのはやめにしようということだよ。今、どの程度会社に期待され、どれだけ貢献しているかという時価主義で払うのは当然だと思う。

流通 以前の社内資格制度は階段を1つ上ったら落ちることはないという仕組みだったが、そういう階段は廃止し、役割に応じて5つのグレードを設定し、毎年見直すことにした。昨年スタートし、今2年目に向けて社員のグレードを見直している最中だが、結構下がる人が出ている。その人たちは当然給与は下がるが、それにふさわしい役割ではないということだから仕方がない。逆に飛び級で2ランクも一挙に上がることも理論上はある。

IT うちもグレード制を敷いているが、アップダウンは激しいね。本社の部門長クラスは社員の最高位のグレードだが、そのなかでさらに3つの給与ランクに分けている。厳密な定義があるわけではないが、部門の格によって決まる。また、同じ部門長でも、たとえば病気になって仕事の遂行がむずかしいという場合、グレードが2段階下がる人も出てくる。

化学 うちは降格、つまりグレードを下げるということは、よほど個人的な理由があって、仕事の遂行がむずかしい人でないとない。それでも上がらないまま給与がそのままという人はいる。実際にどの程度の給与格差がついているの?

流通 うちはグレード1から最高位の5まであるが、1と5の標準者の金額は間違いなく600万円ぐらいの開きがある。階段が4つあるから1つの階段で150万円。つまり1ランク下がれば単純に150万円下がることになる。

電機 うちは部長クラスで300万円、課長クラスで200万円ぐらいの格差は出ている。賃金水準が高いか低いかの問題もあるが、平均的なほうじゃないかな。

流通 部長同士を比較するより、むしろ年齢で見ると玉石混淆だ。35歳で比較すると、いくら優秀でも上のグレードにいく人はまだ少ないからそれほど格差はつかないかもしれないが、たとえば50歳だとグレード1もいれば5もいる。そうなると賞与も含めた年収は700万円から800万円ぐらいの格差がついているね。40代、50代になるにつれて格差が拡大していくのは間違いない。

IT うちも以前より大きな格差がついてきている。役割やポストが変わったことでグレードが上がる人もいれば下がる人もいる、というのが毎年頻繁に起こる。たとえば管理職クラスで年収800万円の社員が翌年に子会社の社長になり、グレードが2段階アップし、400万円増えて1200万円になった例もある。また、管理職クラスでも一番低いグレードの社員を1段階落とすと、一般社員クラスに戻ることになるが、それはさすがにできない。でも同じグレード内の下限の金額まで落ちることはある。そうなると、元の年収800万円が200万円ダウンの600万円ぐらいになるだろう。

化学 うちは3年前に合併して賃金体系を変更した。その前は、資格が上がっても昇給しない。つまり資格内の下限の金額と上限の金額の範囲が広くて、資格が上がっても1つ下の資格と重なっていて変わらないという仕組みだった。しかも、昔は資格が下がるということはほとんどなかった。それを新制度では資格ごとの賃金が重ならないようにして、資格が上がったら必ず昇給する一方、資格自体も下がる仕組みにした。格差という点ではうちは賃金水準が低いからそれほどでもないが、それでも資格が上がる人とそのままの人では同じ年齢でも月給レベルで4万円ぐらいは違う。

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プロフィール

溝上 憲文

ジャーナリスト

みぞうえ・のりふみ●1958年、鹿児島県生まれ。明治大学政経学部卒業。経済誌記者などを経て独立。経営、ビジネス、人事、賃金、年金問題を中心テーマとして活躍中。著書に『年金革命』『隣りの成果主義』『団塊難民』『会社を利用してプロフェッショナルになる』などがある。

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