沸騰!匿名座談会
2008年 10月 8日

人事部の証言「同じ年齢で年収は2倍違う」

ここまできた!成果主義人事による苛烈な処遇の差

「(同期の間でも)すでに2倍ぐらいの格差がついている」――。多くの企業に成果主義が急速に浸透している。

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「(同期の間でも)すでに2倍ぐらいの格差がついている」――。多くの企業に成果主義が急速に浸透している。2倍の給料を獲得する社員はいったい他の社員と何が違うのか。有力人事部が、サラリーマンが知らない評価の裏側や、今、現場で起こっている驚くべき給料格差の実態を語った。

基礎ができたうえでリスク取れる人を評価

電機 給与が上がるには評価が高く、なおかつ昇進の階段を上っていく必要があるが、昔と違って今は誰でも昇進できる時代じゃない。実際はどういう人材が評価されるのか。

流通 優秀な人のイメージというのは、勉強もでき、きっちりと細かいところまで目が行き届いて仕事の漏れもなく遂行できるタイプということになるが、これは入社10年から15年までの若い時期に求められる能力だ。その後はさらに難易度の高い仕事をクリアし、20年、25年の間に経験を積んで成長していけるか。ベンチャーは別にしても大手企業ではこの20~25年の間に歴然とした差が出てくる。やはり部長にまで昇進するタイプに共通するのは、自分で問題を発見し、それを発信し、自分で解決することができるかできないかだね。上からの指示に常に100点の行動を取り続けることは15年目選手ぐらいまでは大事。しかし、そこから先は独自の情報収集に基づいた自分なりの勝算なり目論見を立てて自分でこれをやるぞと決め、過去のやり方を大きく変革するぐらいの勇気を持って、チャレンジしていく精神の持ち主じゃないと上には上がれない時代だ。

IT そう。よくひらめきなんていうけど、芸術家じゃないから、そういうものはなかなか磨くことはできないし、ビジネスマンの発想にとって重要な要素は日頃の情報量、そして興味の持ち方だ。ここをちょっと工夫すればいいし、後は本人の努力と経験、意識の持ち方だ。

流通 基礎的な能力はもちろん、そのうえで勇気を持ってチャレンジする。ここで結果を出せる人と出せない人では評価が異なってくる。

IT うちの場合、昇進というか給与制度は役割の大きさに基づいたグレード(等級)のアップダウンによって給与が変化する仕組みだ。役割を拡大する基準を2つ設定しており、1つは大きな役割・ポストに任用されること。もう1つは本人の力量で現在の仕事や事業を変革し、自ら役割を拡大し、高いグレードを勝ち取ることだ。つまり本人のやり方しだいで役割を大きくしたり小さくする。とくに後者の場合、たとえば企画や研究・開発の仕事に携わっている人であれば、自らの仕事に対するこだわりを持ち、大胆な発想で個人の役割を超えたところで組織を大きくしていく人もいる。こういう人は“地頭”のよさも含めた仕事に対する自発的な熱意を持っている人が多いね。

電機 うちも役割給を導入している。たとえば新たな事業企画を練って上に提案し、最終的に承認されれば新たな組織を組んで、その長として采配を振るうことになる。しかもその組織は永遠ではなく場合によってはミッションを終えれば解体して、次の目標に進むこともある。それを3年ないし5年サイクルでこなしつつ、乗り越えていく人は役割もどんどん大きくなり、グレードも上がっていくというパターンだ。逆にグレードが上がらない、もしくは下がる人というのは、役割以上の仕事をする勇気もなく、自分のミッションを小さくしていくタイプ。

サービス サラリーマンといえどもリスクを取らないと大きな成功はない。高度成長期のサラリーマンならリスクを取らなくてもそこそこの評価を得たが、今は人件費も含めた国際競争力が落ちているし、アジアの国々と普通にやっていては勝てない時代だ。とくに部長クラスになる人には昔以上の能力が要求されている。

流通 言葉は悪いが昔は同じ能力であれば、ゴマすっていれば昇進できたということもあった。やはり上司との相性などが重視されたが、今はそれでは会社が持たない。いつも部下に言うのは、自分の気に入った部下だけで固めるな、それをやれば組織はだめになる。苦手な部下や扱いにくい部下を使いこなせなければ新しい発想も生まれない、とね。

電機 企業を取り巻く環境がこれだけ激しく変化しており、それを読み取り、複数の資源を組み合わせて事業を軌道に乗せ、会社として稼げるかが勝負。組織も事業も生き物である以上、新しく生まれるビジネスもあれば死んでいくビジネスも当然ある。そう考えるとビジネスのライフサイクルが短いなかで、いかに社員が新企画などへ果敢にチャレンジしていくかでチャンスが生まれる時代だと思う。

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プロフィール

溝上 憲文

ジャーナリスト

みぞうえ・のりふみ●1958年、鹿児島県生まれ。明治大学政経学部卒業。経済誌記者などを経て独立。経営、ビジネス、人事、賃金、年金問題を中心テーマとして活躍中。著書に『年金革命』『隣りの成果主義』『団塊難民』『会社を利用してプロフェッショナルになる』などがある。

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