社長の仕事術
2008年 10月 8日

トップの証言:伊藤忠商事 小林栄三社長

目をそらさない覚悟

「書類は、あまり見ませんね」 伊藤忠商事の小林栄三社長は、いつもの歯切れのいい口調でこう語りだした。

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書類よりその人間の熱意、本気度を見る

「書類は、あまり見ませんね」

<strong>伊藤忠商事 小林栄三社長</strong><br>
1949年、福井県生まれ。県立若狭高校卒。72年大阪大学基礎工学部卒業後、伊藤忠商事入社。香港、米国駐在をへて99年情報産業部門長、2000年執行役員、02年常務執行役員、03年常務取締役、04年4月専務、04年6月から現職。
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伊藤忠商事 小林栄三社長
1949年、福井県生まれ。県立若狭高校卒。72年大阪大学基礎工学部卒業後、伊藤忠商事入社。香港、米国駐在をへて99年情報産業部門長、2000年執行役員、02年常務執行役員、03年常務取締役、04年4月専務、04年6月から現職。

伊藤忠商事の小林栄三社長は、いつもの歯切れのいい口調でこう語りだした。「プレゼン用の書類なら、今は新入社員でも立派なものをいくらでも作りますからね。新規の投資案件に対して『ゴー』を出すかどうか、書類を見て判断することはほとんどしません」という。

では、何を見るのか?

「パッションです。熱い思い」

具体的には、案件を説明する人間の「目を見ます」と、小林社長は語る。

たとえば、ある事業をアフリカの一国で始めたいというプレゼンの場合。

小林社長が質問する。「じゃあ、現地の会社は誰が責任者になるんだ?」。それに対して「現地の人間を雇って……」などと、あいまいに答えながら、目が逃げているようなら“落第”なのだ。

「どうしても実現したいという気持ちで提案しているなら、『自分が現地に当面住んででも』という迫力が感じられるはず。そういう熱意や迫力は書類なんか見てもわかりません。顔を見ないとね」

小林社長は、こう強調する。そもそも2007年度の売上高が、12兆4000億円超の伊藤忠ほどの規模の企業ともなれば、トップは個々の事業内容について細部まで完全に掌握するのは困難だ。

「たとえば繊維や食料の案件で、担当のプロジェクトマネジャーより僕のほうが詳しくない。だから、担当部門が巧みに仕上げてきたプレゼン用の書類を見ることより、その人間の熱意、本気度を見ることのほうが大切なのです」(小林社長)

趣味は「人と話すこと」という“人間好き”社長らしい判断基準だ。

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プロフィール

小山 唯史

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