社長の仕事術
2008年 11月 5日

トップの証言:信越化学工業社長 金川千尋

「13期連続最高益」気配り上手の秘密

経済環境の苦しい中、ひたすら最高益更新を続ける信越化学工業。連戦連勝の鍵は「顧客との信頼関係の結び方」にあるという。

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金川流「営業の王道四原則」とは

<strong>信越化学工業社長 金川千尋</strong><br>
1950年、東京大学法学部卒業。同年に極東物産(現・三井物産)入社。62年信越化学工業入社。70年海外事業本部長。78年塩化ビニル事業の海外拠点である米国シンテック社長就任。90年シンテック社長との兼務で信越化学工業代表取締役に就任。同社は13期連続で最高益を更新中である。
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信越化学工業社長 金川千尋
1950年、東京大学法学部卒業。同年に極東物産(現・三井物産)入社。62年信越化学工業入社。70年海外事業本部長。78年塩化ビニル事業の海外拠点である米国シンテック社長就任。90年シンテック社長との兼務で信越化学工業代表取締役に就任。同社は13期連続で最高益を更新中である。

環境変化の激しい化学業界で13期連続で最高益(連結)を更新。屈指の優良企業、信越化学工業の好業績は18年間経営の舵取りを続ける金川千尋社長の卓越した手腕によるところが大きい。

半導体材料のシリコンウエハーをはじめ、主力製品の大半は相場変動が激しい。いかに増益を続けるのか。例えば、住宅建材などに使われる塩化ビニル樹脂はどのメーカーから購入しても大差ないコモディティ商品だ。同業他社が減収や赤字に苦しむ中で、米国子会社で世界最大の塩ビメーカーであるシンテック社は高収益を続ける。それはなぜ可能なのか。金川氏はいう。

「コモディティの商売は値段と営業マンの人間関係で決まります。値が下がっても苦しさを耐え抜けば、ほかの会社が脱落して供給が減るため、価格が締まってきます。初めは利益が出なかったのが出るようになる。この間を支えるのが営業マンの力です。需要家にこの会社のこの人から長期に安定的に買いたいと思ってもらえる信用力です」

金川氏自身、若いころは世界中を飛び回った辣腕の営業マンだった。「事業の成功の7割は営業で決まる。ただし、営業に奇策なし」といい切る金川流「営業の王道四原則」を紹介しよう。

顧客との約束は体を張って守れ

「よい需要家と信頼関係を結び、長くつきあう」――どんなに時代や環境が変わっても、この営業の基本は変わらないと金川氏はいう。実際、シンテック社には、「うちはほかの会社とはいっさい取引しない」と公言する固定客が多く、それが高収益を支える。

いかに信頼関係を結ぶか。営業に心血を注いだ金川氏が常に肝に銘じた実践訓がある。「需要家に約束したことは体を張って守る」という基本原則だ。

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プロフィール

勝見 明

ジャーナリスト

かつみ・あきら●1952年、神奈川県生まれ。東京大学教養学部中退。ジャーナリストとして経済・経営分野を中心に活躍。『イノベーションの作法』(日本経済新聞出版社)、『鈴木敏文の「本当のようなウソを見抜く」』(日経ビジネス人文庫)など著書多数。最新刊は『度胸の経営』(三笠書房)。

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