達人のテクニック
2008年 11月 10日

メディアの裏のウラを見抜くカギ―ジャーナリスト 田原総一朗

直伝!「仕込む、さばく」テクニック【4】

情報を得るうえで、私が最も心がけているのは、一次情報を得るということです。

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政治家、経営者……6つの勉強会

ビジネスマンにとって人脈づくりはおおいに関心のあるところだと思いますが、私の場合は勉強会を6つやっています。世代別、政治家、経営者、官僚、ジャーナリスト……と、いろいろな人々と、それぞれ勉強会をやっている。出身地の滋賀では琵琶湖塾というものを月に1回。大隈塾という早大の学生相手のものが毎週あり、社会人対象のものが毎月。社会のナマの声と接するのはとても新鮮です。

たくさんの当事者と会う必要があり、そのことによって仮説がどんどん崩れていく
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たくさんの当事者と会う必要があり、そのことによって仮説がどんどん崩れていく

私の1日の主な仕事は人に会うことだといえるでしょう。平均すると1日に5~6人。朝の勉強会や昼のテレビの打ち合わせ、夜は酒の席もあります。私は全然飲めないのでウーロン茶ですが。

雑誌に記事を書いたり本を執筆するときも、たくさんの人と会います。たとえば1988年に発覚した「リクルート事件」に関する連載でも、多くの当事者に直接、話を聞きました。同社の当時の主だった社員たち、検事、弁護団、株を譲渡された人々……。事件に関する裁判所の膨大な記録も、読んだ人は少ないでしょうが、私は目を通しています。

新幹線や飛行機の中は書斎だと思っていますから、移動中はたいてい、そういった資料類に目を通しています。裁判の記録は分厚いので、携行して移動中に読めるようにと何冊にも分冊して綴じ直すといった工夫も凝らしながら。以前は移動中も原稿を書いていましたが、体力的にきつくなってきたので、現在では書くのは仕事部屋や自宅にして、移動時間は資料読みに利用というわけです。

執筆のため事件に関するたくさんの一次情報を集めるに当たっては、自分なりの仮説を立てます。しかし、取材を進めるにつれて、その仮説が壊れていくのが面白い。たくさんの当事者に実際に話を聞くことで、仮説が壊れていきます。

もし壊れなかったら、少しも面白くありません。1人の当事者の話は氷山の一角。水面下にある部分まで探り出すにはたくさんの当事者と会う必要があり、そのことによって仮説がどんどん崩れていくのです。それが取材というもの、情報収集というものだと思います。

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