職場の人間関係学
2008年 11月 10日

ユニクロ式教育「店長は2年でつくる」

ユニクロの管理者教育、「社内インターンシップ」など、スピード人材育成の仕掛けを紐解く。

評価は行動評価と業績評価の2つに分かれ、行動評価は「グレードごとに要求されるマネジメント能力、全社への影響力、会社の改善についての情報発信力などの各項目についての総合評価を行う」(柚木執行役員)仕組みである。業績評価は売り上げ、利益、人材教育などの評価項目に基づいて査定される。評価は半年に1回行われ、昇格のチャンスが年に2回あるだけでなく、評価結果しだいでは2階級“昇格”もある。半面、降格もあるなどアップダウンも激しく、社員は日々実力の発揮が問われる。会社はチャンスを提供するが掴みとるのは個人の責任という考え方がここでも貫かれている。

前述したように店長を経験しても必ずしも店舗営業系の世界を歩くだけではなく、様々な職種・職場で活躍できる道も用意している。

「本部のいろんなセクションをはじめ海外で働くこともできれば、ファーストリテイリングのグループ企業の中で活躍することもできます。いろんな経験ができるということが個人の成長につながりますし、社員にいろんな選択肢を提供することを会社の方針としています」(柚木執行役員)

社内インターン制度で他部署を1カ月体験

自らの希望により好きな部署に異動できる仕組みの1つが年2回実施している社内公募制だ。社内イントラネット上で公開される各部署の人材募集に応募し、レポートと面談により合格すれば異動できる。さらに今年から社内の人材交流を活性化すべく導入した仕組みが、「社内ローテーション制度」と「社内インターンシップ制度」である。

社内ローテーションとは、1年間の期間限定で本部などの他の部署に異動し、仕事を経験するものだ。本人の申告に基づき異動部署と面接して決定するが、場合によっては1年過ぎても、双方が合意すれば“社内移籍”となる可能性もある。社内インターンシップは、1カ月間限定で他の部署での仕事を経験する。働いてみたい部署を第3希望まで出すが、これは全社員に実行してもらうことを考えている。

「店長をやるうえでも本部のいろんな仕事を知り、視野を広げてほしいという思いがあります。また、店舗と本部のコミュニケーションの活性化や人的ネットワークをつくってほしいという期待もあります。いろんな情報やチャンスを与えて個人の成長を促そうというのが最大の狙いです」(柚木執行役員)

店長というマネジメントの基礎的訓練をベースにあらゆる部署での経験を通じて個人の成長力を高め、その果実が会社の成長に直結するというのが同社の人事戦略の基本にある。また、正社員の成長力促進のみならず従業員の多くを占めるパート・契約社員の活性化にも取り組む。

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プロフィール

溝上 憲文

ジャーナリスト

みぞうえ・のりふみ●1958年、鹿児島県生まれ。明治大学政経学部卒業。経済誌記者などを経て独立。経営、ビジネス、人事、賃金、年金問題を中心テーマとして活躍中。著書に『年金革命』『隣りの成果主義』『団塊難民』『会社を利用してプロフェッショナルになる』などがある。

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