
【2】新・節約マダムが教える「出費半分幸せ2倍」の道
さらばケチケチ道。「ローコストライフ」の神があなたを元気にする
水道代を浮かすため公園で水を汲む、スーパーで野菜の切れ端を拾う……。そんな貧乏臭い“技”はもう古い。
ノンフィクションライター 山田清機=文 向井 渉=撮影
「お金から自由に」和田さんの場合
「別に高価なもの、置いてないんですよ」
豊かな緑に囲まれたマンションの1階。節約アドバイザー、和田由貴さんの自宅には小さな庭があり、庭に面した応接間には午後の陽射しが燦々と降り注ぐ。調度品にもインテリアにも、たしかに、あからさまに高そうなものは見当たらない。なのに、なぜか幸福感としか呼びようのないゆったりとした空気が漂っている。
和田さんが節約生活を始めたのは、結婚直後のことだった。和田さんは言う。
「私、OLをやっていたんですが、やりくりがまったくできなくて、夫と暮らし始めた当初は、食費に月6万もかかっていました。すぐに子供ができたので、夫の給与だけでやっていかなくてはならなくなって、ちょっとしたパニック状態に陥ってしまったんです」
焦った和田さんは主婦向け雑誌の節約術を読み漁ったが、トイレを流すのは2回に1度、スーパーで捨てられているキャベツの外葉を拾ってくる等々、並の根性ではできないことばかり書いてあった。
そこで、和田さんが独自に編み出したのが、前出の2人とはまったく異なる節約術だ。矢野さんにせよ、岩崎さんにせよ、節約の基本は、安いものを買い、それをムダにしないことである。しかし、和田さんは、安いものを探したり、食材をムダにしないことにあまり神経を使っていない。節約の原理は単純。使う金額に枠をはめてしまう。それだけだ。
「うちは4人家族ですが、毎月の食費を2万円と決めています。つまり、1週間5000円。週に1度、スーパーに行って5000円分の食材を買い、それを1週間で使い切るようにしています」
先の、家計調査の数字と比較してみれば、4人家族で月2万円という食費がいかに少ないかがわかる。さぞ質素な食生活を耐え忍んでいるのだろうと思いきや、まったくそんなことはない。
「夕べは、とんかつにお豆腐のかき玉汁、筍とぜんまいの煮物、ブロッコリーのマヨネーズ和えでした」
立派なものである。なぜ、月2万円でそんなに豊かな食卓をつくれるのだろう?
山田 清機
ノンフィクションライター
やまだ・せいき●1963年、富山県生まれ。87年早稲田大学政治経済学部卒。大手鉄鋼メーカー、出版社勤務を経て独立。主な著書として『青春支援企業』『卵でピカソを買った男』。
武田薬品、富士通、資生堂……。経営者の知られざる素顔を描く。
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