達人のテクニック
2008年 11月 26日

三浦 展激白!なぜ下流おじさんほど、『デブ』になるのか

「ジリ貧父さん」の教訓

アメリカでは低所得層ほど肥満が多いといわれるが、日本でも体形を見れば階層がわかる「体格格差社会」になりつつある。

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自分の贅肉も削減できないヤツ

実は下流の特徴はもうひとつあって、それは「欲望をコントロールする力が弱い」ということだ。彼らは「いま、すべきこと」よりも、「いま、自分がやりたいこと」を優先させてしまう。だからこそ太るし、だからこそ所得が低いのだが、それが本当に心からの欲望なのかといえば、決してそうではない。

彼らは企業の販売戦略に踊らされているだけだともいえる。いまは24時間、そこかしこで食べ物を売っているし、どこを向いても広告が目に入る。よほど意思を強く持たなければ、易きに流れてしまう。こんな世の中では、いつ肥満への坂道を転げ落ちてもおかしくない。

しかもいまや太っていることで、能力や人格まで、実際より低く見られることすらあるのだ。

もともとアメリカでは「太っている人は自分の体も管理できない人。ゆえにデブは管理職失格」という見方があった。日本でも、厚労省がメタボ対策を打ち出したこともあり、これからはますます「おデブ=ダメ人間」のような判断をされることが一般的になるに違いない。となれば腹にでっぷり脂肪のついた部長が「ムダを削減しよう」と言ったところで、説得力がない。「自分の贅肉も削減できないヤツが、何を言ってる」となる。すでに政治家への評価は政策云々よりも、見た目が重視されるようになってきている。

もし小泉純一郎があんなにスリムでなかったら、どんなに改革を訴えたところで、「その前におまえの体を改革しろよ」と言われるのがオチだったかもしれない。元トリンプの吉越浩一郎氏やワタミの渡邉美樹氏がリーダーシップを発揮できるのも、スマートな体形によるところが少なくないのではないか。

こんなにも見た目が個人の評価に直結する社会になったのは、いったいなぜか。私はその一因が、女性の社会進出にあるのではないかと睨んでいる。

かつて男は仕事さえできればそれでよかった。しかし女性は、もともと美しくあることが要求されていた。したがっていま社会で活躍中の女性は、外見にも気を使い、なおかつ仕事もがんばるのが当たり前だ。この価値観が、男性にも応用されつつあるのではないか。だからというわけではないが、このたび私も3キログラムの減量に挑戦し、成功した。やはり太ってしまったら、即ダイエットをするに越したことはない時代なのである。

ハンバーガーセットを頬張り、空腹をしのぐ片岡さん。通りがかりの人が自然と避けていく。
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ハンバーガーセットを頬張り、空腹をしのぐ片岡さん。通りがかりの人が自然と避けていく。

片岡守さん(仮名)、53歳、独身。5年前友人と設立した会社が行き詰まり、消費者金融から生活費を借りたのが下流転落のきっかけ。平日は小さな広告代理店の正社員として働きつつ、土日は近所のスーパーでアルバイトの日々。

「太っている下流はまだ甘い。極貧が加わると、だんだん痩せてくる。85kgあった体重が、食糧不足で10kg減った。最後は、米さえあれば何とかなる」。バイトまでしているなら借金も返せるはずでは?と尋ねると、「沖縄の子持ちの彼女に毎月13万円送金している」とか。

「月末になると電気、ガス、携帯が止まるけど、水道は止められたことはない」と語る表情はなぜか得意げ。困窮生活に適応しすぎて、そこから脱出する意欲を失い、楽しんでいるようにさえ見える片岡さん。やっぱり下流脱出は永久に不可能か。

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