実践ビジネススクール
2008年 12月 16日

大前研一の日本人論―活路を開いた男たちの志、気概に学ぶ

特別寄稿:松下幸之助、本田宗一郎、川上源一、盛田昭夫……熱き思いと野心が日本を変えた

かつて日本には、熱き「志」と「気概」を胸に秘め、敢然と国外へ飛び出し、世界的な大企業に成長させた優れた経営者たちがいた。

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日本人より断然優る
台湾、中国、韓国のトップマネジメント力

食うに困ってナベ釜をつくるのが先だという時代に、国内から世界へ飛翔しようと志した野心、アンビションは偏差値教育からは育まれない。むしろ野心は殺がれ、マスコミにちょっと煽てられただけでハッピーになり、六本木ヒルズにオフィスを構えるような連中しか生まない仕組みになっているのだ。

若い世代はもちろん30.40代も含め、全盛期の幸之助さんや宗一郎さんに今出会ったら、ジュラシックパークに迷い込んだ感覚になるのではないか。日本種にこんな獰猛な生き物がいたのか、と。

多国籍企業のアジア本部を見渡すと、日本人ヘッドはGEアジアパシフィックプレジデント兼CEOを経て日本GEの会長になった藤森義明さんぐらいしかいなくなった。

日本人と韓国人を並べて国際的な舞台で競争させたら、個人の能力だけで判断したら今は明らかに韓国人のほうが強い。国連の潘基文事務総長のようなタイプの日本人はなかなか出てこない。

台湾人(中国人)はもっと優秀で、中国語も英語もできて、日本語もペラペラという切れ者がゴマンといる。今、東アジアでトップマネジメントの能力ランキングを出せば、トップ50に台湾人と中国人で35人ぐらい入り、韓国人が10人。残り5人を日本とタイとインドネシアで分け合うというのが実情だろう。インドまでアジアだ、と対象を広げると、インド人は中国人の2倍以上になるだろう。

それぐらい日本人は気概も覇気もない民族に成り下がってしまった。いまだに世界から愛される製品をつくり続けていられるのは、戦後第一世代の遺産が大きいからだ。情けない話だが、このままでは間違いなく日本人はアンビションを持った中国人や韓国人にグローバル企業においては使われる立場になる。

親や教師のいうことをよく聞いて自分の分際を知り、自分よりも偏差値の高い人がやっているのだから間違いはないだろうと、お上がどんな悪政、失政をしようとも怒らない。偏差値教育で国民をそんな集団に仕立てたのは、国家に対する最大の犯罪である。

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プロフィール

大前 研一

ビジネス・ブレークスルー大学院大学学長

1943年、北九州生まれ。早稲田大学理工学部卒。東京工業大学大学院で修士号、マサチューセッツ工科大学大学院で、博士号取得。日立製作所を経て、72年、マッキンゼー&カンパニー入社。同社本社ディレクター、日本支社長、アジア太平洋地区会長を歴任し、94年退社。現在、自ら立ち上げたビジネス・ブレークスルー大学院大学学長。近著に『ロシア・ショック』『サラリーマン「再起動」マニュアル』『大前流 心理経済学』などがある。 >>大前経営塾

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