実践ビジネススクール
2008年 12月 16日

大前研一の日本人論―活路を開いた男たちの志、気概に学ぶ

特別寄稿:松下幸之助、本田宗一郎、川上源一、盛田昭夫……熱き思いと野心が日本を変えた

かつて日本には、熱き「志」と「気概」を胸に秘め、敢然と国外へ飛び出し、世界的な大企業に成長させた優れた経営者たちがいた。

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かつて日本には、熱き「志」と「気概」を胸に秘め、敢然と国外へ飛び出し、世界的な大企業に成長させた優れた経営者たちがいた。松下幸之助、本田宗一郎、川上源一、盛田昭夫……。日本を変えた男たちから、いま学ぶべきこととは何か。

その名を世界中に轟かせた
日本のエクセレントカンパニー

戦後の復興から高度成長へ、さらに加工貿易立国として日本経済が一世を風靡した1980年代中頃まで、日本企業は日本的経営という切れ味抜群の脇差し片手に世界に切り込んでいった。今日のトヨタやホンダ、キヤノン、ソニー、パナソニック、シャープ……日本発のグローバル企業が続々と台頭した時代だ。

たとえば、ソニーの盛田昭夫さん。アメリカ的経営を批判し、日本的経営の素晴らしさを世界中に語って聴衆を感動させた、日本の企業人の鮮烈な印象が私にはある。だから最近の日本のビジネスマンを見ていると、日本人の能力が劣化しているように思えてならない。あれから20年以上が経過したというのに、世界に冠たる日本企業の顔ぶれが一向に代わり映えしないからだ。

アメリカでは、シスコシステムズやグーグルのような新しい会社が続々と生まれて、グローバル企業へと成長している。実際のところ、過去5年・成長率が100%以上の会社をビジネスウィーク誌が発表していて、毎年、結構な数に上る。

しかし日本では、ホリエモンこと堀江貴文氏のライブドア然り、村上ファンド然り、グッドウィル然りと、線香花火のようなものばかり。ソフトバンクもしょせんはアメリカの本家を時間差を置いて模倣したビジネス(孫正義社長言うところのタイムマシン経営)にすぎず、今やかなりのCDSリスクプレミアムが付くようになっている。今年の春先まで「成長率100%」「給料日本一」と言われたアーバンコーポレイションに至っては、最早潰れてしまっている。

デンソーやアイシン精機などの自動車部品メーカーを成功事例に挙げる人もいるかもしれないが、昔からある企業が自動車メーカーのグローバル化に引っ張られて並び称されるようになっただけの話で、立派な会社ではあるがニュー・ストーリー(新たに生まれた成功物語)ではない。

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プロフィール

大前 研一

ビジネス・ブレークスルー大学院大学学長

1943年、北九州生まれ。早稲田大学理工学部卒。東京工業大学大学院で修士号、マサチューセッツ工科大学大学院で、博士号取得。日立製作所を経て、72年、マッキンゼー&カンパニー入社。同社本社ディレクター、日本支社長、アジア太平洋地区会長を歴任し、94年退社。現在、自ら立ち上げたビジネス・ブレークスルー大学院大学学長。近著に『ロシア・ショック』『サラリーマン「再起動」マニュアル』『大前流 心理経済学』などがある。 >>大前経営塾

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