
平日ホテル暮らし。「主婦合コン」浸りのエグゼライフにも老後の不安が忍び寄る
ルポ!「人生の選択」笑うアリvs泣くキリギリス【シティホテル住まいのロンリーライフ】
なぜ主婦合コンへ行くのかという私の問いに、山口さんは「刺激とバリエーションがあるから」と答えた。
文=野地秩嘉 撮影=尾関裕士
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名古屋生まれ。商社勤務を経て現在、外資系ファッションブランドの社長を務める山口さん。平日は都内のシティホテル、週末は、熱海の一戸建てで過ごす日々。「ホテル暮らしは敷金、礼金なし。光熱費からリネン代も込みだから、年契約すれば意外にコスト安」ある種、男の夢の生活を実現する。
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山口さん(仮名)は55歳。独身。離婚歴あり、前の奥さんとの間にできたひとり娘は大学を出て留学している。彼は外資のファッションブランドの社長を10年務めている。年収は2500万円。熱海に温泉付き一戸建ての広い家を持ち、週日は東京のオフィスに通勤、シティホテルに暮らしている。
「仕事ばっかりですよ。去年は海外へ25回も出張してました。年を取ってきたから、だんだん時差ボケが厳しくなってきた。外資系の経営者は赤字を出しちゃダメ。毎年、必ず利益を上げなきゃならない。利益を出せない経営者はすぐにクビ。私の場合、10年も業績を伸ばしているでしょう。これからは大変です。だから、もう少ししたら、ほかのブランドの社長をやるかもしれません。このところ、そういったヘッドハンティングの話がたくさんきていますし……。熱海にうちを買ったのは、東京に近いことと環境が気に入ったこと。それに温泉もあるし、食事がおいしい。寿司は東京のほうがうまいけれど、イタリア料理、中華は名店がある。休日の夕方、ベランダへ出て相模湾に夕陽が沈むのを見てると最高ですね。心まで洗われます」
山口さんが東京暮らしの利点を語る。
「熱海にうちを買うまで2年間、東京プリンスホテルに暮らしていました。ダブルにひとりで。まあ、時々、ダブルにふたりで寝たりもしましたけれど。僕は23歳で結婚して子どもをつくり、31歳で離婚しました。それから独身生活が24年。いろいろな人と付き合いましたけれど、結婚はしなかった。どうしてって? うーん、付き合うのはいいけれど、若い相手と結婚したら、『子どもが欲しい』となってしまう。50過ぎてから子どもを産むと、その子が成人するまで責任を持たなくちゃならない。僕としては60歳を過ぎてから、40歳くらいの人と平和な結婚をしたいと思っています。
野地 秩嘉
ノンフィクション作家
1957年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業。美術プロデューサーを経て作家へ。『キャンティ物語』(幻冬舎文庫)など著書多数。監修・構成した『成功はゴミ箱の中に』(プレジデント社)が10万部のベストセラーになる。
武田薬品、富士通、資生堂……。経営者の知られざる素顔を描く。
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