
トヨタも驚愕!伊那食品工業「48期連続増収増益」の秘密
会社を強くするものは何か。経営者としてずっと考えてきた。出た答えは「社員のやる気を引き出すこと」。
野地秩嘉=構成 木下徳康、増田安寿=撮影
そこで、まずは情報を共有することにした。当社では幹部だけが知っている数字などない。製品をどれだけ売って、どれだけ儲かったかは社員なら誰でも知っている。また、リストラをやったことはないし、これからもしないつもりだ。
給料も地元では高いほうだ。社員旅行も、39年も前から1年おきに海外へ出かけている。そして、万が一社員や社員の家族の身に何かが起きたら、私は完全に面倒を見る。
5年ほど前のことだが、社員の自宅が火事で全焼した。消防署から第一報が入ると、私はすぐ陣頭指揮に立った。
「第1班はすぐに駆けつけろ。状況がわかったらオレに知らせるんだ。第2班は炊き出しの用意をして現場へ急行すること。そして、第3班は待機だ」
社員は火事の現場に駆けつけてきて、それぞれ着るものや家具をカンパした。会社は被災した社員に建て替え資金を貸し出した。利息は一切取らない。火事に限らず、私は困っている社員がいれば何でも面倒を見る。そして、約束したら絶対に守る。この50年間、それを続けてきた。
家族のように思うといっても、私は特定の部下と飲みに行ったりはしないし、社員の結婚式にも極力、出ないようにしている。全員の式に出席することは不可能だからだ。加えて、当社では部下は上司に贈り物をしてはいけないと決めている。逆に上司が部下におごったり、プレゼントするのは大いに結構。どんどんやりなさいと言ってある。
部下を怒ることもある。しかし、それは仕事の成績が悪いといった理由ではない。そして、自分の感情にまかせて声を荒らげたこともない。叱責するのは怠慢に対してだ。何度も同じミスをしたり、約束を破ったり……。実際、そのような部下は少ないが、そういった場合は机を叩いて怒る。
2カ月間、工場に泊り込んだ
私が入社した50年前には、地域にいくつもの寒天製造会社があった。当時の寒天の用途は和菓子の原料。しかし洋菓子の流行などで需要が減り、従来の得意先だけを相手にしていた寒天会社はつぶれてしまったのだ。
武田薬品、富士通、資生堂……。経営者の知られざる素顔を描く。
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