キーパーソン図鑑
2009年 1月 17日

田中義剛―半農半芸2つのプロの顔

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北海道に夢を追い、牧場を拓いて10年あまり。ようやく見えてきたのは、尽きることのない夢の地平線。

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「芸能界は、いわば永遠の日雇い労働。だからオレは早く使われる側から使う側に、いつかメディアを利用する立場になりたい、そう思っていました」

<strong>田中義剛●</strong>1958年生まれ。青森県出身。80年、歌手としてデビュー。87年に東京進出。バラエティ番組で人気を得る。35歳で北海道に移住。同時に牧場経営をスタート。「花畑牧場」ブランドを北海道を代表するブランドへと育て上げた。
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田中義剛●1958年生まれ。青森県出身。80年、歌手としてデビュー。87年に東京進出。バラエティ番組で人気を得る。35歳で北海道に移住。同時に牧場経営をスタート。「花畑牧場」ブランドを北海道を代表するブランドへと育て上げた。

田中義剛、49歳。テレビ、ラジオで5本のレギュラー番組を抱え、タレントとして活躍しながら、十勝で酪農を営んでいる。現在、自ら経営する「花畑牧場」ブランドで生キャラメルが大ヒット。今期は約20億円の売り上げをめざす。

 「手づくり商品だけで、これだけ売り上げを出す企業はなかなかないよ。新千歳空港で95%ものシェアを独占している六花亭、石屋製菓、ロイズの牙城を切り崩すことがいまの目標」と不敵に笑う。

芸能界に身を置きながらも、その間ずっと頭から離れなかったのが、北海道で牧場をやるという夢だった。少し貯えができた33歳のときに、十勝で土地を探し始めた。だが“よそ者に土地は売れない”という田舎特有の気質に阻まれ、2年経っても土地は手に入らない。あきらめかけたとき「村を全国区にしてくれると約束してくれるなら」と当時の中札内村村長が助力してくれたおかげで、やっと土地を購入することができた。

 「とはいえ、農協からは牧場をするなら最初に牛を100頭飼えって言われましてね。まず借金ありき。搾乳機を入れ、工場化させる大規模農業を押しつけてきた。だからオレは牛1頭でやるっつって、もう農協と大ゲンカですよ」

生来の頑固さで主張を押し通し、ジャージー牛1頭だけを飼った。7万坪の土地に牛が1頭。「芸能人が趣味で酪農をしている」「やる気がない」など、相当のバッシングを受けながらも「オレは東京のマーケットを知っている。大規模農業の時代は終わる」と言ってのけ、独学で乳製品をつくり始めた。

棚にぶら下げて熟成させるチーズ「カチョカヴァロ」。牧場の主力商品だけに品質管理には厳しく目を光らす。手づくりチーズは難しく、品質を安定させるのに苦労した(左)。人気商品「生キャラメル」を社員に指導。手づくりにこだわる(右上)。デパートの催事場で行われる物産展では、自ら店頭に立ち、商品をアピールする。芸能人の強みを遺憾なく発揮する(右下)。取材協力/玉川高島屋S・C
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棚にぶら下げて熟成させるチーズ「カチョカヴァロ」。牧場の主力商品だけに品質管理には厳しく目を光らす。手づくりチーズは難しく、品質を安定させるのに苦労した(左)。人気商品「生キャラメル」を社員に指導。手づくりにこだわる(右上)。デパートの催事場で行われる物産展では、自ら店頭に立ち、商品をアピールする。芸能人の強みを遺憾なく発揮する(右下)。取材協力/玉川高島屋S・C


 牛1頭からは毎日30キロの牛乳を搾ることができる。そこからできるチーズは約32キロ。そのまま牛乳として出荷すると2000円くらいだが、良質のブランドチーズにすれば1キロで5000円の値段がつけられる。彼はそこに目をつけた。

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