社長の仕事術
2009年 2月 06日

三菱商事 小島順彦社長―「遵法第一」柔軟に対話を重ねる説得力

「燃える経営者」列伝【4】

東京出身で、照れ屋でスマートさを好むシティーボーイ、小島さんの第一の手法は対話。「説得力」が武器だ。

納得できなければ社長にも断固逆らう
小島順彦の真骨頂

<strong>小島順彦●三菱商事社長</strong><br>
1941年、東京都生まれ。65年東京大学工学部を卒業後、三菱商事に入社、重機部に配属される。78年サウジアラビア出向、85年ニューヨーク駐在、92年社長室会事務局部長、95年取締役、97年常務、2000年新機能事業グループCEO、01年副社長、04年より現職。
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小島順彦●三菱商事社長
1941年、東京都生まれ。65年東京大学工学部を卒業後、三菱商事に入社、重機部に配属される。78年サウジアラビア出向、85年ニューヨーク駐在、92年社長室会事務局部長、95年取締役、97年常務、2000年新機能事業グループCEO、01年副社長、04年より現職。

東京出身で、照れ屋でスマートさを好むシティーボーイ。そんな小島順彦さんの経営手法は「柔」の代表といえる。前述の3人は商いの本場・関西の出身で、「剛」そのもののリーダーシップを発揮する。対照的だ。その小島さんの第一の手法は対話。「説得力」が武器だ。

三菱商事のような総合商社と言えば、「向こう傷を恐れるな」「刑務所の塀の上に登っても、内側に落ちなければいい」と、かなりのリスクも承知で取引を獲りにいく文化だった。だが、小島さんは違う。「塀の上に登るな」どころか「塀に近づきすぎるな」と説く。

無論、コンプライアンス(法令遵守)は「剛」の3人の企業でも、厳しく律している。ただ、いまや、商社の収益は口銭を集めるだけでは、得られない。リスクを取って新しいプロジェクトや交易を開発し、そこから生まれる収穫の分配を手にする時代だ。となれば、「権力」に近づく際どいアプローチをしがちになる。

それが危ない。犯罪どころか、悪い評判が立てば、個人の「向こう傷」にとどまらず、会社自体がダメージを受ける。だから、世界中の拠点を巡って、「たとえ賄賂が当たり前の地でも、ルール違反は絶対にするな」と説いて回る。『三国志』には、「智は禍を免るるを貴ぶ」との言葉もある。問題は、起こさないことが大事。小島流が重なる教えだ。

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プロフィール

街風 隆雄

経済ジャーナリスト

つむじ・たかお●1947年生まれ。71年慶応義塾大学経済学部を卒業後、朝日新聞社に入社。経済部記者として産業キャップ、金融キャップ、経済部次長、静岡支局長、本社編集委員などを歴任。2007年独立。著書に『私の源流―トップ経営者からのメッセージ』(朝日新聞社)などがある。

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