職場の人間関係学
2009年 2月 09日

M&Aを成功させる「ミニ新社」のつくり方

シナジー創出の重要性に気づいた“M&A人事感応度”の高い会社が増えている。

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私どものクライアントである某社では、統合の準備段階から企業文化の違いを外の視点で認識しようと努めていた。新しく企業文化をつくるために、まずは顧客やマーケットとの関係をどう捉えているのか、お互いの企業文化を理解することに1年以上の時間をかけた。企業文化の違いを乗り越えて、新たに「つくる」ことができるかを統合判断の基準にしたのである。

具体的には、準備段階で実験的な事業提携をして一緒に仕事をしてみたり、人材の交流を行ったりして相互の理解を深めていった。結果、統合後もスムーズにノウハウの共有化を進めることができ、現在は新会社内で人材交流を活発に進めている。シナジー創出のポイントは外の視点で事前準備をし、新たな企業文化をつくるための処方箋を持ち、実行に移したことにあるといえるだろう。

このほかにも、シナジーを継続的に創出している素晴らしい統合事例にいくつも関わることができた。彼らの統合成功のポイントは、両社の経営トップが準備段階で完全に意思統一し、統合後も明確で強い意志を発信し続け、早い段階から人材交流を行ったことにある。早くから新しく「つくる」議論を進めていたのである。これは、経営トップがシナジー創出に向けて組織・人事の重要性を重視している企業の特徴である。

ここへきて、組織・人事の統合マネジメントを通したシナジー創出の重要性に気づいた“M&A人事感応度”の高い会社が増えている。M&Aを経験して経験知が高まった結果であり、歓迎すべき流れであろう。

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プロフィール

西口 尚宏

マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング代表取締役

にしぐち・なおひろ●上智大学経済学部、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了。日本長期信用銀行(現・新生銀行)、世界銀行グループ人事局勤務などを経て現職。編著の『M&Aを成功させる組織・人事マネジメント』(日本経済新聞出版社)は各方面で反響を呼んでいる。

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