新・会社論
2009年 5月 29日

【3】「新・日本型金融道」で世界を制す

三井住友銀行:業界標準をつくる特殊部隊の秘密

「大切なことは顧客企業の成功。そのためには誰とでも組んで“チームアップ”せよ」

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MBO案件の融資を1カ月弱で決断

日本土建の田村憲司会長(左)と三井住友銀行の宮下広一氏(右)。<br>
「正直言うともう一行のほうが条件がよかったんですが、『わが行は担保力ばかりにはこだわらない。経営理念や見通しを非常に尊重するんだ』とおっしゃっていただいた。大和証券さんとのコンビがよかったのも、選んだ決め手です」(田村氏)
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日本土建の田村憲司会長(左)と三井住友銀行の宮下広一氏(右)。
「正直言うともう一行のほうが条件がよかったんですが、『わが行は担保力ばかりにはこだわらない。経営理念や見通しを非常に尊重するんだ』とおっしゃっていただいた。大和証券さんとのコンビがよかったのも、選んだ決め手です」(田村氏)

同様に、高く評価しているのが三重県のナンバーワン・ゼネコン、日本土建の田村憲司会長だ。

「とにかく、三井住友は本題にズバリと入ってきて、スピード感がある。かつ、回答が明快。そして、私たちを信頼し、課題を解決してくれました」

田村会長が語る“課題”とは、本業である建設業を担う日本土建を、MBOによって非上場化することだった。日本土建グループは全部で7社。ながらくグループを牽引してきた日本土建は建設不況の中で、近年、ご多分にもれず、「苦戦を強いられている」。それと対照的に躍進著しいのが、同社の子会社「ZTV」が展開するケーブルテレビ事業だ。

2事業の明暗を見極めた田村会長は、「ZTV」を親会社とし、日本土建を傘下に収める新たなグループづくりを画策した。そして、決意したのが、日本土建の非上場化だった。

「グループを牽引するのは苦戦業種ではなく、好況産業。ケーブルテレビ事業を親会社にして、成長の柱にしたいと考えました。しかし、そのことを株主に納得させるのは難しい。ならば、日本土建の株式を私が公開買い付けして、非上場化させる変革をしなければならないと考えたのです」

日本土建がこの一件を初めに相談したのは三井住友ではない。別のメガバンクだった。ところが、真剣な相談を持ちかけているにもかかわらず、あれこれと尋ね続けて、一向に本題に入ろうとはしない。田村会長は隔靴掻痒の日々を余儀なくされた。

苛立った日本土建は他社に相談を持ち込んだ。そのフィナンシャル・アドバイザーである大和証券SMBCからCA本部へと話が伝えられたのは08年4月だった。

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プロフィール

宮尾 攻

みやお・こう●金融専門誌などを経て経済ジャーナリストとして独立。『「IYバンク」で何が変わるか』『日本銀行の研究』『証券市場は死んだのか』『国債のカラクリ』『ペイオフ預金消失』など著書多数。

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