
【2】今年、ヨーロッパで「第2のリーマン」が炎上する
「サブプライムの暗号」を解いた男が次のシナリオを読む
株で買い支えることも一つの手段だが、今だからこそ効果的な手法があるのでぜひ紹介したい。
マークイットグループ日本支社代表取締役 水谷克己 山下知志=構成 芳地博之=撮影 マークイット=資料提供
今だからできる効果的な投資
だからといって大慌てする必要はない。前回、私は本誌で市場の下落時には日本人として自信が持てる企業を買い支えるべきだと主張したが、それは今でもまったく変わっていない。株で買い支えることも一つの手段だが、今だからこそ効果的な手法があるのでぜひ紹介したい。
リーマンの破綻を経て明らかになったことが一つある。それは、どの国の政府にも「トゥー・ビッグ・トゥー・フェイル(大きすぎてつぶせない)」というコンセンサスが確立したということだ。これはGMやクライスラーなどへの政府支援を見ればわかるとおり、金融機関のみならず、事業会社にもあてはまる。
これを逆手に取って、大きくてつぶせない企業だけを集め、その倒産リスクを束ねた新しい指数をつくり、そこに投資するのだ。ベースとなるのは、企業の信用リスクを取引するCDSだ。
現実にはほとんどありえない話だが、例えば日本を代表する企業であるトヨタ自動車や新日本製鉄が倒産しそうになったとする。その場合は、日本政府が支援することになるだろう。CDSの取引対象は株式ではなく、返済順位の高い一般債権なので、公的支援が行われると政府保証となる可能性が高い。
信用不安が回復すれば価格が上がり、万が一でも政府リスクに置き換わって値上がりするかもしれない――。一般の投資家にもリスクがわかりやすい「逆張り」商品が、CDSで組成可能なのだ。
水谷 克己
マークイットグループ日本支社代表取締役
1964年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。主要外資系証券会社で金融商品開発の責任者を務め、2005年に金融商品の時価評価と検証業務を行うマークイットグループ日本支社を設立。日本の金融市場の透明化にも力を注いでいる。
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