
【3】「強いものをより強く」戦略で逆風に勝つ
三菱電機:営業利益率総合電気1位の強さに迫る
野間口が、「強いものをより強くするという、わが社再生のカギの一つだった」と指摘する事業に、パワー半導体がある。
経済ジャーナリスト 岸 宣仁=文 川本聖哉=撮影
>>「『強いものをより強く』戦略で逆風に勝つ」は4回連載。目次はこちら
事業、研究開発、知財の「三位一体経営」
ここまで三菱電機の製造現場やモノづくりの強さを紹介したが、知的財産戦略、特に国際標準化活動への積極的な取り組みにも触れておかなければならない。映像、通信、産業用ネットワークなどの分野で、市場のグローバル化に対応した標準化戦略を強めていることが、製品競争力を強化するとともに知財収入の増加を促し、経営の土台をより強固なものにするテコの役割を果たしているからだ。
FA統合システムのe|ファクトリーでは、機器同士をつなぐネットワーク技術の「CC|Link(CCリンク)」が、国際標準規格として市場開拓の強力な武器になっている。ネットワークに強く求められる通信の互換性、接続製品の豊富さに加え、システムやアプリケーション構築の際の生産効率の高さなどが国際標準として認められた結果だ。単に特許を取得するだけでなく、それらをいかに標準規格の中に埋め込んでいくか、そのアライアンスの巧拙が知財戦略そのものを左右する典型的な事例といえる。
三菱電機の中で早くから国際標準の重要性を訴えてきた野間口有会長は、CCリンクが日の目を見るまでのエピソードとともに、今後ますます重みを増す国際標準のあり方について考えを述べた。
「CCリンクを打ち出す際に、国に決めてほしいといっても、決めてもらえませんでした。このままでは独シーメンスや米ロックウェルなど欧米勢の蹂躙を許すだけになるからわが社でやろうと、日本国内、中国、東南アジアの賛同者を募ってやってきたのです。うちのFA部門は“従う標準”から“作る標準”に取り組んできましたが、これからは自分で作る標準、使わせる標準が増えていくと思います」
岸 宣仁
経済ジャーナリスト
きし・のぶひと●1949年、埼玉県生まれ。東京外国語大学卒業後、読売新聞社入社。旧大蔵省、旧通産省、日本銀行などを担当して独立。著書多数。近書に『デジタル匠の誕生』(小学館)がある。
武田薬品、富士通、資生堂……。経営者の知られざる素顔を描く。
絶好調企業は必ず効果的な「朝礼」をしている!レポートはこちらから






























