新・会社論
2009年 6月 13日

【4】「強いものをより強く」戦略で逆風に勝つ

三菱電機:営業利益率総合電気1位の強さに迫る

「景気の谷がきたので利益率が落ちますなんて野暮なことはいわんようにしたい」

「営業利益率5%以上」は達成できるか

売上高と営業利益率・セグメント別売上高構成比(2007年度)
写真を拡大
売上高と営業利益率・セグメント別売上高構成比(2007年度)

とりわけ、自動車関連事業に強みを持つ三菱にとって、トヨタ自動車でさえ戦後初の営業赤字に転落する自動車産業の壊滅的な状況を前に、自ら手をこまぬいていれば共倒れになりかねない危険性が高まる。そんな予兆をいち早く察知してか、同社は11月に成長戦略の一環として地球温暖化対策事業の拡大を打ち出した。太陽光発電、ヒートポンプ、パワー半導体などを重点的に強化し、15年度に1兆3000億円超の売上高を目指すとともに、これらの事業を通じて510万誦超のCO2を削減しようというものだ。

「自動車市場の激変で大きな影響を受けつつありますが、今のようなときにこそ、これまでやってきた事業構造改革の努力を生かせなければ本当に情けない。環境事業は景気とは別次元の話だから力を入れるのは当然ですし、この分野への開発投資や設備投資は決して緩めずにやっていくつもりです」

「100年に一度」ともいわれる金融・経済危機の渦中にあって、環境事業のみならず、あらゆる経営面での体質強化が避けられない現状にあるのはいうまでもない。さらなる体質強化に向けてどのような対策が打ち出せるのか、下村の手腕が問われるところだが、総合電機3社の中でも三菱電機の看板である「営業利益率5%以上」の目標をどう考えているか、改めて質してみた。

「守りたいという気持ちは変わりません。相当困難なことをやらなければいけないと思いますが、景気の谷がきたので利益率が落ちますなんて野暮なことはいわんようにしたい。永続的にずっと掲げている目標は下ろさず、全社を挙げてあらゆる努力をしましょうというのが、社内外に対するメッセージです」

今が金融・経済危機にとどまらず、100年に一度の大変革期に突入しているとすれば、5%以上の目標を達成できるかが、三菱電機の構造改革に裏打ちされた底力が試される一つのメルクマールになるかもしれない。 (文中敬称略)

>>「『強いものをより強く』戦略で逆風に勝つ」は4回連載。目次はこちら

前のページへ 1 2 3
プロフィール

岸 宣仁

経済ジャーナリスト

きし・のぶひと●1949年、埼玉県生まれ。東京外国語大学卒業後、読売新聞社入社。旧大蔵省、旧通産省、日本銀行などを担当して独立。著書多数。近書に『デジタル匠の誕生』(小学館)がある。

Feedback
この記事を 全部読んだ
  一部だけ読んだ
  あまり読まなかった
内容は とても参考になった
  まあ参考になった
  参考にならなかった
 
サイト内検索
プレジデントのおすすめ記事
特集
経営者たちの40代

武田薬品、富士通、資生堂……。経営者の知られざる素顔を描く。

朝礼のヒント

絶好調企業は必ず効果的な「朝礼」をしている!レポートはこちらから

プレジデント最新記事