社長の仕事術
2009年 6月 15日

【1】好機を逃さない「60%即決主義」―前田新造

多忙トップ「混迷突破の時間操縦法」大公開

売り上げ目標とは、決して、上から“達成”を強要するものではないのだ。

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9割の顧客満足につながる「ノルマ撤廃」

<strong>資生堂社長 前田新造</strong><br>
1947年、大阪府生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、資生堂入社。海外営業本部アジアパシフィック地域本部長、経営企画部長などを経て、2005年6月より現職。「毎晩ベッドに入る前に、今日の自分の仕事がお客様の役に立つことができたかどうか、必ず反芻しています。そうするとよく眠れるんです(笑)」
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資生堂社長 前田新造
1947年、大阪府生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、資生堂入社。海外営業本部アジアパシフィック地域本部長、経営企画部長などを経て、2005年6月より現職。「毎晩ベッドに入る前に、今日の自分の仕事がお客様の役に立つことができたかどうか、必ず反芻しています。そうするとよく眠れるんです(笑)」

2005年、社長に就任したとき、私は3つの夢を掲げた。「100%お客様志向の会社に生まれ変わる」「魅力ある人で組織を埋め尽くす」「大切な経営資源であるブランドを磨き直す」の3つである。これらの夢は、いずれも「時間」と深いかかわりを持っている。

まず、「100%お客様志向の会社に生まれ変わる」についてだが、この夢の実現のために、私は06年、BC(ビューティー・コンサルタント)の売り上げノルマを撤廃し、お客様に書いていただく満足度のアンケート葉書を、BCの評価尺度とする改革を断行した。

「お客様志向」は、資生堂が創業以来、一貫して掲げてきた経営理念である。BCもお客様を美しくするために活動しているのだが、BCの活動がノルマの達成に奪われてしまうと、お客様の満足感が置き去りにされてしまうこともあった。資生堂が徹底したお客様志向の企業として再生するには、最前線でお客様と接するBCの意識が真っ先に変わる必要があると、私は考えた。

一般的にノルマとは、1日にAという商品を○○円売り上げよというように、「単位時間当たりの売り上げ」に基準を設け、その達成を強く要請することだ。ノルマは達成か未達かが一目瞭然になるため、管理者には非常に便利なツールとなる。しかし私には、ノルマによって売り上げ目標を達成するのは、本当の経営ではないという思いがあった。

ノルマとは、私流に言えば、「責任の細分化」だ。本社が売り上げ目標を立て、それを販社に下ろす。販社のトップは営業部長に、営業部長は営業担当者に下ろし、営業担当者は個々のBCにノルマを課す。つまり、売り上げ目標を末端に向かって細分化していくのがノルマの正体なのだ。経営者はこの仕組みによって、経営責任を末端に転嫁できるが、これが、本当の経営であるはずがない。

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