実践ビジネススクール
2009年 6月 17日

「悪い情報」を部下に報告させる仕組み

予算オーバー、顧客の不満、事故の可能性……「聞きたくない情報」を収集するには

自分の部署の上司にはもちろん他の部署の上司にも異論をぶつけられる雰囲気があることも、きわめて重要だ。

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●自由に発言できる場をつくる

権力の不均衡が存在する状況では、下の地位の人間は、上の人間との関係が危うくなるのを恐れて、どこまでなら言っても安全かを絶えず見極めようとしている。気まずい思いをしたり、屈辱感を味わったり、キャリアに支障をきたすのを恐れる気持ちは、社員に口をつぐませる大きな要因だ。

コロンビアの破片分析チームのメンバーは、事故調査委員会に対し、安全についての懸念をマネジャーにぶつけていたら「名指しで笑い者に」されていたのではないかと思う、と証言した。

湾岸戦争後に輸送ヘリ「ブラック・ホーク」2機がF-15戦闘機2機に撃墜され、平和維持軍26名が死亡した事故があったが、その事故を招いたコミュニケーションの失敗にも、大きな地位の隔たりが関係していた。『Friendly Fire: The Accidental Shootdown of U.S. Black Hawks over Northern Iraq (友軍誤射:イラク北部でのブラック・ホーク撃墜事件)』(2002年/邦訳なし)の著者で、ハーバード・ビジネス・スクールの組織行動学準教授、スコット・A・スヌークは言う。「空軍の文化は、AWACS(空中早期警戒管制システム)の管制官たちに、戦闘機パイロットを相手にするときはもっぱら聞き役にまわるのが得策だと思わせるものだった。そのため彼らは、パイロットに異論を述べることに逃げ腰だった」。

企業という場でそうした逃げ腰を防ぐためには、誰もが自由に問題点を指摘したり、異論を表明したりできる場を設けるのが一つの方法だ、とジョンソンは言う。プロジェクト終了後の反省会や、ジャック・ウェルチがゼネラル・エレクトリックで始めた「ワークアウト」などがそれにあたる。

反対意見を述べたり、問題を指摘したり、改善を提案したりするお許しがみんなに与えられているということになれば、きまりの悪い思いをしたり、屈辱感を感じたりするのを恐れる気持ちが大幅に緩和されるのだ。

●偏った解釈を修正する

それぞれのメンバーが自分の部署の言語と文化にどっぷり漬かっていて、自分の部署の視点からプロジェクトをとらえている。そのために生じる曲解や誤解を防ぐために、チームのメンバーは「これはあなたにとっては何を意味するのか。これにはどのような含意があるのか」と絶えず尋ねることによって、明確なコミュニケーションを心がける必要がある。地位の低いメンバーが自分の部署の上司にはもちろん他の部署の上司にも異論をぶつけられる雰囲気があることも、きわめて重要だ。

会社全体のコミュニケーションを改善するためには、顧客にとっての価値を創造するという観点からコミュニケーションをとらえるのが一つの方法だ。「顧客にとっての価値を高めるという課題に徹底的に的を絞ることで、縄張り意識を和らげ、部門間の壁を打ち破ることができる」とコネランは述べている。

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