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2009年 6月 19日

不景気アメリカで銃がバカ売れしている理由

堀田佳男の「オバマの通信簿」【13】

政府はGMが競争力のついた自動車メーカーとして生まれ変わることを期待する。

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「いまアメリカでは銃が飛ぶように売れているのです」

ウェストバージニア州に住む友人は電話口で、興味深いことを口にした。

「飛ぶように」というのは誇張に思われるが、南部や中西部を中心に、銃の売上が確実に伸びているという。少し調べると、確かに銃や弾丸が品切れになっている銃砲店が続出していた。連動するように、銃砲メーカーの株価も上昇している。しかも、この現象はオバマ氏が昨年11月に当選した前後から続いていた。何かがアメリカで起きている。

6月10日、首都ワシントンのホロコースト博物館の警備員が、白人至上主義者の男に殺害される事件が起きた。この時も銃が使われている。オバマ大統領は選挙中から銃を規制していく立場をとってきたはずだが、アメリカ国内の流れは逆流しているように思われる。

殺人事件の件数だけを眺めると、90年代前半をピークに下降線を描いている。もっとも多かった年は2万3000件を超えたが、08年は約1万6000件にまで下がっている。しかし、殺人事件の約3分の2で銃が使われており、依然としてアメリカは「銃弾の国」と言って差し支えない。

さらに国連が発表した10万人あたりの殺人事件発生率をみると、アメリカは先進国では最も高い5.8件という数値である。日本が0.64、ノルウェーが0.78、ドイツが0.98、フランスが1.59なので、ある意味で「危ない国」に変わりはない。

冒頭の話に戻ろう。

南部オクラホマ州にタルサという町がある。

そこでスポーツ用品を扱う店を経営するJ・プラールさんに取材した。

「オバマ政権樹立後の3カ月間で、昨年の売上を達成したほど銃や弾丸が売れています。一時は棚から銃が無くなってしまいました。オバマ大統領は最高の銃のセールスマンですね」

1852年に創業された銃メーカー最大手の「スミス&ウェッソン」の第1四半期の利益は前年同期比で約3倍、株価は昨年10月以来2.4倍になっている。歴史的に不況になると犯罪が増えるため、強盗や不測の事態に備えて銃を買う人が増える傾向はある。しかし、今回の不況は07年末に始まっており、銃の売上増はオバマ政権誕生を契機にした「銃のブーム」と考えるべきである。

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プロフィール

堀田 佳男

1957年東京生まれ。早稲田大学 文学部を卒業後、ワシントンDCにあるアメリカン大学  大学院国際関係課程修了。大学院在学中に読売新聞ワシントン支局で1年間助手を務める。卒業後、米情報調査会社に勤務。アメリカの日刊紙の日本語ダイジェストの執筆・編集に携わる。永住権取得後、1990年に会社を辞して独立。以来、ジャーナリストとして政治、経済、社会問題など幅広い分野で精力的に執筆活動を行っている。25年の滞米生活後、2007年春帰国。
著書に『大統領はカネで買えるか?』(角川新書)『大統領のつくりかた』(プレスプラン)など。

http://www.yoshiohotta.com/

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