実践ビジネススクール
2009年 6月 19日

「選ばれるマネジャー」がいる会社は「選ばれる会社」になる

優秀な社員の「定着率」を高める上司の器量

スキルアップを助けるマネジャーがいない企業は、優秀な社員から早晩見切られる可能性が高い。

優秀な人材は、採ってしまえばあとは勝手に育ってくれると考えていないだろうか。やる気を起こさせ、スキルアップを助けるマネジャーがいない企業は、優秀な社員から早晩見切られる可能性が高い。その愚を避けるためには。

就職や転職を考えている人々から「エンプロイヤー・オブ・チョイス(選ばれる企業)」とみなされるようになれば、企業の収益力は上がるものだ。だからこそ企業は近年、競争に勝つために必要な最高の人材を見つけるリクルートの方法はもちろん、既存の社員の気持ちをつなぎとめておくためのリテンション・プログラムの開発にも力を入れている。

しかし、過去7年にわたり「選ばれる企業」について研究してきたインディアナポリスの経営コンサルタント、ナンシー・アールリクスによれば、全社的なプログラムだけでは十分とはいえない。

上司が、会社のビジョンや優先課題を誠実に実践しており、部下の吸収力や成長に強い関心を持っているとみなされている場合には、会社に対する社員の忠誠心は高くなる。逆に、社員が退職する理由のトップは上司とうまくいかないことだ。

要するに、アールリクスが近著『Manager of Choice: Five Competencies for Cultivating Top Talent(選ばれるマネジャー:最高の人材を育てるための五つの能力/邦訳なし)』(2003年)で述べているように、人材管理のベスト・プラクティスを誠実に実践している「選ばれるマネジャー(MOC)」が組織全体にいないかぎり、企業は「選ばれる企業(EOC)」にはなれないのである。

では「選ばれるマネジャー」、すなわち仕事や上司を選べる立場にいる社員に選んでもらえるマネジャーになるためには、何が必要なのだろう。アールリクスはこう述べている。「これにはマネジャーの教育スキルや専門的スキルも一定の役割を果たすが、決定的な違いを生むのは人材管理のスキル、すなわち社員にやる気を起こさせ、自主的な努力──それが顧客とじっくり話すことであれ、もっと頻繁に電話をかけることであれ──をさせるスキルである」。

この能力を備えた「選ばれるマネジャー」は、(1)人材発掘 (2)関係構築 (3)信頼構築 (4)スキル構築 (5)組織としてのブランド構築、という5つの基本分野で一貫して優れた実績を挙げている、とアールリクスは語る。

以下に紹介するのは、これらの各分野でよりよい実績を挙げるためのアドバイスと、これらの分野における優れた手腕で定評のあるマネジャーたちが伝授してくれるヒントである。

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ローレン・ゲイリー

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