
民主党政権を挫く「魔の火薬倉庫」
「熱狂なき支持」でも第一党は確実。政権交代の足音が近づいているが……
<7/13最新号からチョイ読み>「自民190、民主は230」。刻々と迫る解散総選挙の票読みを自民党選対筋はこう弾く。
政治ジャーナリスト 平川悠三=文
「友愛」の具体的政策の一番手として示すことになりそうなのが「可処分所得の2割増」だ。かつて池田勇人政権の掲げた「所得倍増」と比べるとインパクトはないが、一般消費者に目を向け生活をレベルアップさせる現実的な目標値として重視している。中期目標としては地域主権を目指す。鳩山氏は上意下達の語感がある地方分権という言葉を嫌い、地域主権と呼ぶ。将来的には道州制への移行も念頭に置くが、強制的に行うのは「上から目線」と考え、導入の是非は地域に任せる「選択的道州制」の道を探る。
あまり知られていないが、鳩山氏は条文化された憲法改正試案を持つ改憲派だ。憲法問題は、九条に議論が集中する傾向が強いが、鳩山氏の試案は憲法25条の「生存権」の充実にこだわりを見せている点でユニークだ。「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を認める現行の条文に、試案は「快適な住居の保障」を書き加えている。ネットカフェ難民、ホームレスなど、格差社会が生んだハウジング・プアは自分の政権では出さないという決意がうかがえる。実際に憲法改正が実現するのはかなり先の話になるだろうが、憲法観にも友愛の精神が読み取れるのは注目しておきたい。
可処分所得増、分権の推進、そして憲法改正……。短期、中期、長期の課題に一貫した哲学があることが浸透すれば「友愛」への理解が深まるかもしれない。
民主党は、もともと自民党から社会党まで出身政党の違う議員の寄せ集めだけに、波乱要因は随所にある。外交、安保などの基本政策が一致していない。経済政策では財源の裏打ちも曖昧だ。いずれも政権発足後、ただちに取り組まなければならない懸案だが、これらの問題は、多く報じられているので触れないことにする。ここでは最大の“火薬庫”となりうる問題を取り上げておきたい。
そのとき小沢氏の私党と化す
民主党が政権を取る場合、単純計算で100人近くの新人が当選する。彼らをどうマネージするか、これが民主党の命運を握る。郵政選挙では自民党に83人の新人議員が誕生した。だが4年たち、自民党の戦力に成長した1回生議員は数えるほどしかいない。民主党は、4年前の自民党を他山の石として新人教育を徹底させることが必須事項だ。
俄然、存在感を示すのが小沢氏だ。小沢氏は、他の幹部が軒並み内閣に入る中、党にとどまり選挙対策などの党運営を牛耳ることになるだろう。そこで、新人議員たちに「小沢流選挙術」をたたき込む。そのこと自体は、党の体力をつける意味でも好ましいことだ。ただ、この過程で初当選議員の大部分が小沢チルドレンとなる。小沢派「一新会」の大増殖だ。
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