暮らしの裏ワザ事典
2009年 6月 20日

アトピー性皮膚炎

生活環境、特定の食べ物、ストレスなどいくつもの要因が絡み合ってアトピー性皮膚炎を治りにくい病気にしている。

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病気の中では極めて認知度の高い皮膚アレルギー疾患の「アトピー性皮膚炎」。患者数40万人といわれているが、実際にはその2~4倍はいると推測される。

アトピー性皮膚炎とは、痒みのある皮膚の炎症が体の一部、あるいは全身に現れ、良くなったり悪くなったりを繰り返しつつ、慢性的に続く病気である。

このような症状が出るのは、持って生まれたアレルギー体質と、皮膚のバリア機能が低下する体質、この2つが重なることによる。バリア機能は異物が体内に入るのを防ぐ機能。これを痒いからとかきむしるとバリア機能が壊れ、ダニ、ハウスダストなどの刺激が内部に達してしまう。

さらに、生活環境、特定の食べ物、ストレスなどいくつもの要因が絡み合ってアトピー性皮膚炎を治りにくい病気にしている。

アトピー性皮膚炎は皮膚のバリア機能をみると診断がつくし、赤みの炎症度合い、盛り上がり具合で「軽症」「中等症」「重症」「最重症」の4段階にわけられる。そして、治療は重症度に合わせて行われる。「薬物療法」「悪化要因の検索と対策」「スキンケア」が治療の3本柱。とりわけ、薬物療法が重要になる。

ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏などの塗り薬が基本。これに補助的に抗アレルギー薬やヒスタミン薬の内服薬を使う。

ファーストチョイスのタクロリムス軟膏は顔や首、ステロイド外用薬は体部に使う。タクロリムス軟膏は局所免疫調整外用薬で、ステロイド薬のようなホルモン作用などによる副作用がない。だから、副作用の出やすい顔や首にも安心して塗ることができる。

ステロイド外用薬の炎症を抑える強さは、ウィーク(弱い)からストロンゲスト(最強)まで5段階。タクロリムスはそのうちのミディアムからストロングにあたり、弱い側から2~3段階となる。

体部の場合は強い炎症をステロイド外用薬で抑え、適切なタイミングでタクロリムス軟膏に切り替える。

医師から指導された量を適切に塗って、月に1回は診察を受けていくと、難治性であっても90%の人は改善し、アトピーと上手に付き合えるようになる。

正しい塗り方は、「ワン・フィンガー、ツー・ハンド」。大人の人差し指の第1関節まで軟膏をとると、その量は約0.5グラム。この量は大人の手の平2つ分の面積に塗る適量であり、これをFTU(フィンガー・ティップ・ユニット)と呼んでいる。このように正しく塗ると、炎症の赤みは4~5日でほとんど改善する。以後は、医師の指示通りに徐々に塗る量を減らしていくようにし、上手にコントロールする。

アトピーは完治よりも“上手に付き合う”ことを考えて治療すべきである。

【食生活のワンポイント】

大人のアトピーでは食事の制限はまったくなく、何を食べても問題はない。

ときに、アトピーを悪化させやすいものとして、牛乳、卵、大豆などがあげられるケースがあるが、それは食物アレルギーで、アトピーとは別のものである。

ただし、炎症が強く、症状が悪化しているときは、香辛料などの刺激物やアルコールなどは控えるべきである。

また、女性に多い便秘はニキビをできやすくする。ニキビが悪化してしまうと、アトピー治療がやりにくくなるので、予防が肝心である。

便秘予防には、腸内環境を良くするためにヨーグルトを毎日欠かさず口にし、水分をより多く摂るようにする。加えて、便のカサを多くするために、食物繊維の多い食べ物を摂る。

食物繊維の多い食品は、豆腐、海藻類、きのこ類、切り干し大根、干しぜんまい、かんぴょうなどである。

プロフィール

松井 宏夫

医学ジャーナリスト

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