
【1】完璧主義タイプ「でも、完璧にしたい!」
6タイプ別「グズ、後回し、大慌て」の克服法
完璧主義タイプは失敗を恐れる気持ちが強く、たとえ90点の出来でも足りない10点が気になります。
立正大学心理学部教授・文学博士 齊藤 勇 構成=村上 敬
処方箋「完璧より優秀を」
完璧主義から脱するには、ベストではなくベターを目標にしたほうがいいでしょう。たとえ100点でなくても、90点ならば十分に優秀でまわりからも評価される。そのように発想を変えれば、足りない10点が気にならなくなります。
発想を変えるには完璧主義タイプの口癖である「~すべき」「~しなければならない」をやめて、「~してもいい」「~したい」と言い換えてみましょう。
「~すべき」は強制的な言い回しですが、「~してもいい」は自分に選択権があるため、「やったほうがいい部分」と「やらなくてもいい部分」の区別を意識するようになります。いままで見えていなかった「やらなくてもいい部分」が浮かび上がってくれば、大きな進歩です。
荒ワザですが、意図的に小さな失敗をするのもいい方法です。自分が考えているほど、まわりは人の失敗を気にしていません。むしろ小さな失敗は、人間関係の潤滑油になります。人は気の抜けない相手より、ときどき失敗をする相手のほうに親しみを感じます。ふだんは完璧でも少し抜けたところがある人を評して「人間味がある」という言い方をすることがありますが、これは好意の表現です。そう考えれば、ささいな失敗を気に病むこともないはずです。
小さな失敗がやがて大きな失敗に発展するのでは、という心配も無用です。小さな失敗で周囲と良好な関係を構築できていれば、大きな失敗になる前にまわりの人がカバーしてくれたり、万が一のときもフォローする側に回ってくれたりします。とはいえ、小さなミスも許せない完璧主義の人に、意図的な失敗を望むのは酷かもしれません。そこでぜひ身につけてもらいたい習慣は、とにかく実行することです。
考える前に手や体を動かせば、意図せずとも小さなミスは発生するものです。即実行自体がグズを直す習慣でもありますが、完璧主義タイプにとっては、失敗体験ができるという点で二重の効果があるでしょう。
齊藤 勇
立正大学心理学部教授・文学博士
さいとう・いさむ●1943年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。専門は対人心理学。『「時間どろぼう」を退治する方法』『見た目でわかる外見心理学』『心理分析ができる本』など著書多数。
武田薬品、富士通、資生堂……。経営者の知られざる素顔を描く。
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