
迅速対応の秘訣は「仕事内容を共有する」夕礼
CTCテクノロジー編(2)
残業する人間を追及するのではなく、仲間の仕事内容を理解し、負担を減らすのが目的だ。
野地秩嘉=文 尾関裕士=撮影
CTCテクノロジーでは毎日行う夕礼のなかで残業の有無を申告しているため、2007年から08年の間で残業時間が10%削減された(渋谷オフィスの例)。夕礼の大きな効果だろう。
例えば東京城西カスタマーサービス部に属する渋谷オフィスの夕礼は次のような様子だ。始まるのは午後5時30分。終業のチャイムが鳴ると同時に、社内で仕事をしていた10人ほどが立ち上がる。司会は持ち回りだ。
一同の「おつかれさまです」という声からスタート。初めに、契約先企業でコンピュータ機器の保守、運用にあたっている人員のスケジュールを全員で確認する。「Aさんは午後6時までB社で仕事しています」といったものだ。次に夜間作業があるかないかの確認。最後に残業予定のある者が申告する。そして、全員で仕事内容を検討する。
「そういった作業なら僕も手伝います。一緒にやって早く終わらせましょう」といったこともあれば、「それは手伝う性質の仕事ではありませんね。わかりました。でも、なるべく早く終えて帰りましょう」といった助言をすることもある。残業する人間を追及するのではなく、仲間の仕事内容を理解し、負担を減らすのが目的だ。だから残業を申し出た人からも「手伝ってください」といった言葉が自然に出る。渋谷オフィスの辺見彰人氏はこんな解説をする。
「残業をしないからといって、飲みに行くのが増えたわけではありません。早く帰宅するようになりました」
つまり、CTCテクノロジーの夕礼は社員の家族にも歓迎されているのだ。
「夕礼で自分の仕事内容をオープンにしているので、本人がいなくても、契約先企業からの問い合わせに受け答えができるようになりました。もちろん、簡単な内容の場合ですが」(辺見氏)
同社では夕礼の場を利用して、残業を減らしただけでなく、情報を共有化することにも成功しているようだ。
野地 秩嘉
ノンフィクション作家
1957年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業。美術プロデューサーを経て作家へ。『キャンティ物語』(幻冬舎文庫)など著書多数。監修・構成した『成功はゴミ箱の中に』(プレジデント社)が10万部のベストセラーになる。
武田薬品、富士通、資生堂……。経営者の知られざる素顔を描く。
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