
【5】スリル偏向タイプ「でも、ぎりぎりまでやる気になれない!」
6タイプ別「グズ、後回し、大慌て」の克服法
スリル偏向タイプは、スタートダッシュが遅いことが特徴です。
立正大学心理学部教授・文学博士 齊藤 勇 構成=村上 敬
スリル偏向タイプは、スタートダッシュが遅いことが特徴です。提出期限が1週間先という書類には数日は手をつけず、ぎりぎりになって猛然と取りかかります。
このタイプは、プレッシャーがあったほうが仕事ははかどると考えています。直前までなにもしないのも自分にプレッシャーを与えるためで、わざと自分を危機的状況に追い込み、火事場の馬鹿力を発揮しようというわけです。
たしかに心理学には「締め切り効果」と呼ばれる効果があり、締め切り直前になると普段より集中力が増すことが知られています。ただ、それと仕事の完成度は別問題です。多くの場合、やっつけ仕事になってクオリティが下がったり、ときには時間の見積もりが甘く期限に間に合わないこともあります。
締め切り効果をうまく活用できているという人も安心はできません。もともと実力のあるスリル偏向タイプなら、たとえ取りかかりが遅くても、8~9割は問題なくこなせるでしょう。しかし、怖いのは残りの1~2割です。スリル偏向タイプはスケジュールにバッファをつくっておかないため、アクシデントが起きると一気に予定が狂って、締め切りに間に合わなくなってしまうのです。
不可抗力で時間が足りなくなったのだから仕方がない、という言い訳は通じません。ビジネスに不測の事態の発生はつきものです。それを踏まえて予定を組むのが当然であり、余裕のない計画を立てるのは大きな間違いです。
そもそも最初に危機的状況を好んでつくり出したのは、ほかならぬ自分自身です。そこに思いがけないアクシデントが重なったからといって、失敗の原因をアクシデントに求めても説得力がありません。周囲からは「いつか大きな失敗をすると思っていた」と冷ややかな視線を浴びせられるのが関の山です。
齊藤 勇
立正大学心理学部教授・文学博士
さいとう・いさむ●1943年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。専門は対人心理学。『「時間どろぼう」を退治する方法』『見た目でわかる外見心理学』『心理分析ができる本』など著書多数。
武田薬品、富士通、資生堂……。経営者の知られざる素顔を描く。
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