
【6】抱え込み・八方美人タイプ「でも、嫌われたくない!」
6タイプ別「グズ、後回し、大慌て」の克服法
一人で抱え込んでしまう。あるいはすでに身動きが取れない状態なのに、安請け合いして自滅する。
立正大学心理学部教授・文学博士 齊藤 勇 構成=村上 敬
大量の仕事で忙殺されているのに、まわりに助けを求めず一人で抱え込んでしまう。あるいはすでに身動きが取れない状態なのに、仕事を頼まれると安請け合いして自滅する。これが抱え込みタイプによく見受けられる症状です。
人間の能力は有限です。にもかかわらず、抱え込みタイプは自分のキャパシティ以上に仕事を請け負うため、限界を超えた仕事については遅れがちになります。量の問題だけではありません。さまざまな種類の仕事を抱えれば、優先順位を付けるのが難しくなり、重要な仕事を後回しにして失敗することもあります。
では、なぜこのタイプはキャパシティを超えてまで仕事を抱え込んでしまうのか。それは、自分には存在価値がないと思い込んでいるからです。劣等感の裏返しとして、けっして弱音を吐かない自分や依頼を断らない優しい自分を演じて、まわりに自分の存在価値を認めてもらおうとしているのです。
抱え込みタイプは、人に嫌われることを極端に恐れ、自分の欲求を抑え込みます。自分の欲求に素直でときに敵をつくりやすい「根拠のない自信家タイプ」とは、まさに対極の位置にいるといえます。
実際、このタイプは八方美人ゆえに、まわりと比較的良好な人間関係を築いています。しかし、それもグズが表面化するまでの話で、依頼した仕事が間に合わなかったり、間に合わせるための手抜き仕事であることがバレると一気に信頼を失います。皮肉なことですが、まわりに認めてもらおうとして頑張れば頑張るほど、逆の結果を招くのです。
齊藤 勇
立正大学心理学部教授・文学博士
さいとう・いさむ●1943年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。専門は対人心理学。『「時間どろぼう」を退治する方法』『見た目でわかる外見心理学』『心理分析ができる本』など著書多数。
武田薬品、富士通、資生堂……。経営者の知られざる素顔を描く。
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