お金・給料の新常識
2009年 7月 05日

親族間の「疑心暗鬼」を回避する方法

「アフター会社人生」準備&建て直し大作戦:老親の世話

介護は「いつまで続くかわからない」という不確定な部分があるだけに、費用への不安は大きい。

尚美さんにすれば親が介護費用を負担しているとはいえ、その胸中を察すると穏やかではないだろう。

一方で、親が介護費用を用意していても、その使い方をめぐってきょうだいが揉める例もある。

「なぜ、あなたが介護できないの?弱いのねえ」

夫の両親を自宅で介護していた五十嵐和子さん(仮名、61歳)は6年前、家族会議で今後の介護について話し合っている最中、義妹から思わぬ言葉を投げかけられた。

「なぜ、あなたが介護できないの? 弱いのねえ」

義父母はともに認知症で、食事や排泄など日常生活のすべてに介助が必要だった。和子さんの疲労はピークに達し、有料老人ホームへ入居させたいと相談したときだった。数千万円の入居一時金は親の蓄えで十分に賄える。夫も義父母も入居に前向きだったが、義妹の反発は強かった。「親の財産が減ることが気にいらなかったのでは」と、和子さんは当時の様子を思い起こす。

最後は夫が義妹を説得してくれたが、この出来事を機に和子さんも自らの老後を考えるようになった。

「できるだけ自宅で過ごし、判断力が衰えたら介護施設へ入りたい。子どもにも希望を伝えています」

このように、親がどんな介護を受けたいのか、費用面も含め、元気なうちに意向を聞いておきたい。切り出すタイミングが難しいが、五十嵐さんを担当するケアマネジャーの菅美穂子さんは「介護を特集するテレビ番組も多いので、そうした機会に話し合ってみては」と、勧める。

>>「『アフター会社人生』準備&建て直し大作戦」の目次はこちら

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プロフィール

長岡 美代

介護・医療ジャーナリスト

介護経験をきっかけに、高齢者の介護や医療、ライフスタイルを中心とした取材・執筆活動を続ける。著書に、『60代からの住み替えを考える本』『親の入院・介護に直面したら読む本』など。

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