
飯島 勲|会食、ケータイ、喫煙室……密室の心理学
「リーダーの掟」
重要な情報というものは「これが重要な情報です」とわかりやすい顔をしてやってきません。
小山唯史=構成 宇佐見利明、大脇知史=撮影
真冬の試験期間に自宅の電気代が上がらない娘
重要な情報というものは「これが重要な情報です」とわかりやすい顔をしてやってきません。気をつけていなければ、重大な情報が意味のない事実として目の前を通り過ぎてしまう。
たとえば、東京のワンルームマンションで生活をする自分の娘が、いまどのような生活を送っているか。遠く離れた実家から推測することができるのでしょうか。
娘の使う水光熱費は一つの手掛かりです。子供に仕送りをしている親御さんならば、水光熱費を負担していることも多いでしょう。毎月口座から引き落とされる額はすぐわかるはず。
真冬の最中、期末試験の時期に電気代がいつもと全く変わらない。
ここで「電気代が変わらない」ことが非常に大きな意味を持つことに、気づくことができるでしょうか。
暖房もつけず、どこでなにをしているのだろう、と。少なくとも家で勉強をしていないことは推測できます。
さらに水道代が倍かかるようになったら、娘とは別に、誰かがその部屋で生活をしている可能性が高い。水道の使用量は住んでいる人間の数に比例していくものです。
以上のような情報を踏まえつつ、娘に接すれば、親としての責務も強く果たせるのではないでしょうか。
断片的な情報からいかに全体を描くことができるか。情報を取り扱う人間の分析能力が問われます。
また、相手の人物を判断するときには、自分よりシビアな眼力を持つ他人を利用するという手もあります。
営業の相手先で随分と羽振りのいい振る舞いをする人間に出会ったとします。ただ彼に全面的な信頼をしていいものか困っている。
ずっと高級車に乗って移動していると話す割に、彼の足元を見ると靴底が随分磨り減っている。
なにかがおかしい。
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