お金・給料の新常識
2009年 7月 31日

リーダーが冗談をよくいう組織は、業績がいい!

想定外10大ショックの正体【スキルの陳腐化】

「いまは小手先のスキルでレベルアップを図る時期ではありません」

EQを超えるSQとは?

「SQ」リーダーシップに不可欠な7つの要素
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「SQ」リーダーシップに不可欠な7つの要素

昨秋以来、多くの企業は売り上げが前年比3割も4割も減少する異常事態に見舞われている。この非常時、ビジネスマンはどんなスキルを持つべきか。

企業幹部へのコーチングを手がけるヘイコンサルティンググループの本寺大志シニアコンサルタントは「いまは小手先のスキルでレベルアップを図る時期ではありません。部下を持つマネジャー・クラスならSQ(社会性の知能指数)を磨くべきです」と断言する。

「10年ほど前からビジネスの現場で注目されているのがEQ(心の知能指数)ですが、行動神経科学の最新の知見をもとにEQをさらに発展させたのがSQです。最近はとくに上からの押し付けで組織を動かそうとしても限界があります。そのため『共感力』や『思いやり』が新しい要素として加わっています。マネジャーの能力に落とし込めば、部下との良好な関係を構築できる能力ということです」

背景にあるのは次のような現状認識だ。

「猛烈な逆風下にあるので、優秀な人でも好成績を挙げるのはたいへん難しい。いまは個人プレーを封印し、組織の活性化を図るときです。たとえばメンバー全員で知恵を出し合い、苦しんでいる人の分をみんなでカバーするというように一体感を醸成するのです。最近になって企業は『個人・短期』で業績を評価する弊害に気づきはじめ、『組織・中長期』を重視する新しい成果主義へと評価軸を変えています。そのなかで、たとえばITや英語など個人的なスキルを磨いたとしてもすぐに役立つかどうかは疑問です。むしろスタンドプレーに走りやすく、チーム内の和を乱すことになりかねません」

組織が活性化するかどうかはリーダーの資質や姿勢にかかっている。

今回の不況は外部要因が大きいとはいえ、販売急減を座視するわけにはいかないので企業トップは「もっと売れ」と現場に圧力をかける。すると悪いリーダーは、不安に駆られるまま部下に責任を押し付けようとする。「売れないのは部下たちに危機意識が足りないから」と決めつけるのだ。このロジックで部下を責め立てるため、組織の一体感は損なわれ成績も一段と悪化する。

一方、いいリーダーは「チーム内の不安感を取り除いたうえで、ゼロベースから仕事のやり方を見直したり、新しい販売ルートを見出したりすることにエネルギーを費やします。好況時のように目先の売り上げに振り回されず、本質的な考察ができると考えるからです。こちらはチームの一体感が強まり、景気回復期には猛ダッシュを見せるでしょう」。

大事なのはもちろん新しいやり方を見つけて方向性を指し示すことだが、それ以前に「チーム内の不安感を取り除く」ことが、いいリーダーになるか悪いリーダーに落ちるかの分岐点になっているといえるだろう。本寺氏が締めくくる。

「みんなが不安に苛まれるなか、優秀なリーダーは決まってこんな言葉を漏らします。『こういう局面だから、僕が下を向いちゃ駄目なんです』。彼らはあえて、職場を笑いで満たしているといいます。SQの研究過程ではリーダーが口にする冗談の数と、その部署の業績とは相関関係にあることが判明しています。周囲が沈んでいるときこそ、あえて冗談を口にしたり、笑顔を見せたりする。ウケを狙う必要はありません。明るく前向きな空気をつくればいいのです」

>>「想定外10大ショックの正体」の目次はこちらから

プロフィール

面澤 淳市

めんざわ・じゅんいち●1964年、茨城県生まれ。水戸第一高校、法政大学法学部卒。雑誌「財界」などを経てプレジデント編集部へ。著書に『東芝』『ソニー「プレステ2」のマルチ情報革命』など。

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