
【3】人事部の告白―大異変「お金、出世、採用」
人的ネットワークをいかに多種多様に築いて、維持していくことがリスクを回避する最大の秘訣だと思う。
ジャーナリスト 溝上憲文=取材・構成 宇佐見利明=撮影
新卒採用は死守、中途減少はやむなし
サービス うちは例年120人程度新卒を採用している。正式に経営会議にかけてはいないが、経営環境も厳しいので来年の採用数は半分以下に落とすつもりだ。人事からすればバブル期に採用をやめたように過去の二の舞いになるのは避けたいし、ゼロにはしたくない。5人でも10人でもいいから採ってほしいね。
流通 うちは例年並みか、最低でも100人の新卒採用は維持していかないといけないと思っている。採用しないで穴が空くことで将来、必ず問題が発生する。例えばマネジャー層になってくると、人材の枯渇感が生まれてくる。たとえ80人に減ってもしっかりと継続して採用していく必要がある。
広告 この数年間に採りすぎていた部分もあるが、2割減なのか3割減なのかわからない。経営の考え方に人事がどれだけ抵抗するかで決まる。我々としては下げたくはない。その気持ちを最終的に経営トップに言えるかどうかだ。
電機 比較的傷が浅い業界ならいいが、取引先が倒産しているとか、同業他社がリストラや賃金カットをやっているとなると、自分の会社だけ採用数を維持することはできないなという心理が働く。結果的に負のスパイラルに陥り、行きすぎた削減になる。それだけは避けたい。
化学 人材会社に聞くと、中途採用は去年の11月ぐらいから急速に減り、その後はますます求人数が減っているらしい。逆に急減した企業から放出された求職者が増加している状況だという。今年半ばになると相当悪化するのではないか。
流通 うちとしては30代層の穴が空いている部分を補うために専門知識の高い即戦力となる人材は厳選して採用していくつもりだ。
サービス この数年は毎年30人規模で採用してきているが、これからはほどほどにしないといけない。現役社員の雇用を守っている中で、新たに人を増やすことはできない。中途の採用が冷え込むのは間違いない。すでに同業他社も中途採用の抑制を始めている。
溝上 憲文
ジャーナリスト
みぞうえ・のりふみ●1958年、鹿児島県生まれ。明治大学政経学部卒業。経済誌記者などを経て独立。経営、ビジネス、人事、賃金、年金問題を中心テーマとして活躍中。著書に『年金革命』『隣りの成果主義』『団塊難民』『会社を利用してプロフェッショナルになる』などがある。
武田薬品、富士通、資生堂……。経営者の知られざる素顔を描く。
絶好調企業は必ず効果的な「朝礼」をしている!レポートはこちらから





























