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2009年 8月 14日

「反オバマ」で急増する白人至上主義団体

堀田佳男の「オバマの通信簿」【17】

今年5月、東部ペンシルバニア州の小さな新聞の広告欄に、とんでもない告知が掲載された。

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今年5月、東部ペンシルバニア州の小さな新聞の広告欄に、とんでもない告知が掲載された。

「オバマ大統領はリンカーン、ガーフィールド、マッキンリー、ケネディ各大統領の後を追うように暗殺されるだろう」

編集部は暗殺予告ともいえる告知の掲載を事前に中止せず、そのまま印刷したことでニュースは世界中に広がった。社主は謝罪したが、本当の問題は「オバマ暗殺」の脅威が今、全米レベルで拡大していることである。ペンシルバニア州の新聞告知は氷山の一角に過ぎない。

多くの方は、オバマ大統領が誕生した時、人種問題にからんだ暗殺の可能性に思いを馳せたに違いない。過去半年、未遂に終わった暗殺計画はいくつもあった。

8月12日、アラバマ州にある「南部貧困法律センター」が発表した人種問題の報告書によると、白人至上主義団体は確実に増え続けている。2000年に602団体だったが、08年には926団体にまで増えた。ほとんどが小規模な団体だが、暗殺は実行犯が一人いれば成立するため、脅威は増している。

白人至上主義団体の代表格であるKKK(クー・クラックス・クラン)は、20年代半ばに会員数が400万人に達して興隆を極めたが、その後会員数が激減。20世期後半には3000人前後にまで減った。しかし、オバマ政権が誕生して以来、会員数が増え始め、現在は5000人を超えている。しかも、以前より尖鋭的で過激になっている。代表を務めるレイ・ラーソン氏は昨年、アメリカのメディアに登場して言った。

「オバマ氏が大統領になったら間違いなく暗殺されるだろう。南部では、彼への差別意識は大変強い。いくら大統領を取り巻く警備が厳重になっても、暗殺を100%防止することはできない」

もちろん大多数のアメリカ人はこの考え方に同調しない。だが一方で、黒人大統領の誕生を機に、白人至上主義者たちが社会の表に出始めている。

オバマ政権が誕生しても、依然としてアメリカ社会は共和党と民主党で大きく二分されているのは事実だ。保守派は昨年の大統領選で敗北して以来、水面下にとどまっていただけに、オバマ人気の反動として、いま勢いをつけつつある。しかも白人至上主義者たちの多くは武装しており、良からぬ計画を練っていたりする。

前出の報告書によれば、南部や中西部の諸州を中心に、過去数カ月で50以上の団体が新たに結成されたという。これは不況下にあるアメリカ社会で、オバマ政権に対する不満が充満している証拠でもある。

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プロフィール

堀田 佳男

1957年東京生まれ。早稲田大学 文学部を卒業後、ワシントンDCにあるアメリカン大学  大学院国際関係課程修了。大学院在学中に読売新聞ワシントン支局で1年間助手を務める。卒業後、米情報調査会社に勤務。アメリカの日刊紙の日本語ダイジェストの執筆・編集に携わる。永住権取得後、1990年に会社を辞して独立。以来、ジャーナリストとして政治、経済、社会問題など幅広い分野で精力的に執筆活動を行っている。25年の滞米生活後、2007年春帰国。
著書に『大統領はカネで買えるか?』(角川新書)『大統領のつくりかた』(プレスプラン)など。

http://www.yoshiohotta.com/

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