
オバマ大統領は3年後の大統領選挙で再選されるだろうか。
昨年11月に選挙が終わったばかりだが、すでにアメリカでは次期大統領選の話題がでている。「オバマ人気がこのまま続けば、再選されるだろう」と漠然と思われる方もいるだろうが、現実はそれほど簡単ではない。
「オバマの通信簿」というタイトルで記事を書いているので、次期選挙をにらみながら、現段階でのオバマ大統領の評価と共和党側からの動きを探ってみたい。
まずオバマ政権を数字で評価すると、私は82点をつけたい。共和党保守派の人間は30点前後しか与えないかもしれないが、金融不況の中での船出にもかかわらず、政権樹立後ほぼ半年で暴風雨圏を抜けた。
それはギャラップ調査の項目別調査からもうかがえる。07年末に始まった不況は、アメリカ国民の経済に対する不安感の推移と見事に連動しており、08年初頭から「経済状況が悪い」と答える人が急激に増えていたが、それも峠を越した。今年3月、「経済状況が悪い」と答えた人は60%を超えていたが、その数字は4月から下降に転じ、8月中旬には43%にまで下がった。
これはオバマ政権による7870億ドルの大胆な景気刺激策や、金融機関、住宅ローンへの救済策が一応の効果を出し始め、国民がそれを認めたと考えていい。むしろ本当の効果が表れるのはこれからである。ただ、依然として失業率は9.4%と高く、予算バラマキの財政政策に対する猜疑心は残っている。
それがオバマ大統領の支持率の低下につながっている。実は1月20日の就任時をピークに、支持率は下降し続けている。ギャラップ調査によると、ピークは62%だったが、8月中旬になって過去最低の52%にまで落ちた。
この数字はブッシュ大統領の同時期よりも低く、オバマ大統領の就任当初の爆発的な人気に陰りが見え始めたとの見方もある。しかし調べてみると、この数字は共和党と無党派層での支持率下落が主因だった。民主党員からの支持率は依然として86%と高い。
「国を一つに統合させる」
大きな目標を掲げて登場した大統領だったが、実は民主党と共和党の思想的な差は相変わらず歴然とした隔たりがある。アメリカ初の黒人大統領が登場しても、急に共和党と民主党のギャップが埋まるわけではない。むしろギャップを大きくしたとの考え方もある。それでも67%の回答者がオバマ大統領のリーダーシップを評価し、66%がアメリカの抱える問題を十分に理解していると答えており、十分に合格点を与えられる大統領だといえる。
一方、共和党は次の大統領選挙にむけて巻き返しを図ろうとしている。正式に出馬を表明した候補はいないが、「次の大統領として誰がふさわしいか」という質問をもとに、多くの調査会社が支持率調査を行っている。
堀田 佳男
1957年東京生まれ。早稲田大学 文学部を卒業後、ワシントンDCにあるアメリカン大学 大学院国際関係課程修了。大学院在学中に読売新聞ワシントン支局で1年間助手を務める。卒業後、米情報調査会社に勤務。アメリカの日刊紙の日本語ダイジェストの執筆・編集に携わる。永住権取得後、1990年に会社を辞して独立。以来、ジャーナリストとして政治、経済、社会問題など幅広い分野で精力的に執筆活動を行っている。25年の滞米生活後、2007年春帰国。
著書に『大統領はカネで買えるか?』(角川新書)『大統領のつくりかた』(プレスプラン)など。
武田薬品、富士通、資生堂……。経営者の知られざる素顔を描く。
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