
女性の経済力をあてにする男性
結婚相手の合格年収、失格年収【4】
奥さんと2人で、なんとか父親の年収水準ぐらいまで稼ぎたい」「だから未来の妻にも、フツーに稼いでほしい」
牛窪 恵=文
「300万以上は稼いでほしい=3割」
「男は結婚したら、妻子を養うべき」
私が『独身王子に聞け!』(日本経済新聞出版社)を書いた2006年の時点では、35歳以上の独身男性(独身王子)の大半が、そう口にした。
だが昨今の不況で、「自分一人が妻子を養わねば」と気負う男性は、目に見えて減っている。その分、結婚相手の女性にも「ある程度、稼いでほしい」と望む男性が増えているのだ。
「結婚後も『別居婚』や『週末婚』が理想です」。中小のITベンチャーに勤務するFさん(33)は、そう口にした。
彼は、いま流行りの「弁当男子」。正社員で年収約450万円と平均的だが、給与は年俸制で、今後のダウンもありうる。
「だから貯金は必須。毎日弁当を作るのも、自転車で通勤するのも、浮いたお金を少しずつ貯めるためです」
付き合って3年になる彼女がいる。流通系企業の正社員。給与水準はさほどよくないが、企業としての安定性は高い。そんな彼女の仕事を見るにつけ、Fさんは「結婚・出産で辞めるのはもったいないよ」と言い続けているという。
だが本音は、「辞められては困る」だ。Fさんの会社は、ベンチャー企業。10年後の保証はないし、会社が明日潰れるとも限らない。彼女に「結婚後も、お互いの生活を尊重しよう」「僕が転勤しても、別居婚でいいから働き続けてね」と言い含めているのも、実は共働きでないと怖いからだと、苦笑する。
頼りなさが目につくFさん。だが、彼は決して特殊な男性ではない。
図4-1を見ると、相手(女性)の「年収にはこだわらない」と答えた独身男性は5割強、「年収800万円以上」の男性に限れば「こだわらない」がさらに多く、7割強にも及ぶ。
ただし年収800万円未満の男性になると、状況が一変する。とくに「年収200万~800万円未満」の男性は、女性の経済力への期待が大きい。
たとえば相手が30代後半女性の場合、「相手に(結婚後も)300万円以上は稼いでほしい」という男性が、3~4割近くいる。また、「年収500万~800万円未満」の男性の3割以上が「相手は会社員(正社員)がいい」と回答(図4-2)。いまや男性も、結婚相手に「正社員」や「安定した稼ぎ」を求める時代なのだ。
牛窪 恵
マーケティングライター
うしくぼ・めぐみ●1968年、東京都生まれ。大手出版社勤務ののち、2001年、インフィニティを設立。マーケティング、企業PRなどを手がける。近著に『独身王子は早く死ぬ?』(プレジデント社)、『草食系男子「お嬢マン」が日本を変える』(講談社+α新書)がある。
武田薬品、富士通、資生堂……。経営者の知られざる素顔を描く。
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