
三井物産 槍田松瑩:好奇心と変化対応力
変革トップ「先が見えない時代、いかに自分を耕すか」
総合商社は活動領域がきわめて広いため、何にでも興味を持つ人が向いているのです。
面澤淳市=構成 芳地博之=撮影
手がける仕事が価値を生んでいるか
商社マンの仕事には何をおいても「好奇心」が必要です。総合商社は活動領域がきわめて広いため、何にでも興味を持つ人が向いているのです。
思い出すのは、私が40代を迎えるころに秘書として仕えた水上達三相談役です。水上さんは戦後の三井物産大合同に尽力し、社長・会長をつとめられた中興の祖といわれる経営者です。当時は80歳をすぎていましたが、好奇心旺盛で、さまざまなことにチャレンジされるのです。
たとえば宮崎県の実験線までリニアモーターカーの試乗に行ったこともありますし、当時はまだベンチャー企業だったソフトバンクの小さなオフィスを訪ね、孫正義社長から根掘り葉掘りビジネスモデルの説明を受けたこともありました。三井物産OBで発明家のドクター中松とも親しく、当時は中松さんがよく発明品を持って水上相談役を訪ねてこられました。そんなとき、水上さんは嬉々としてドクターの説明に聞き入っているのです。
私自身も、これまでに世界中のさまざまな場所で仕事をしてきました。むろんたいへんなこともありましたが、いつ、どこにいても、仕事が面白くないと感じたことはありません(笑)。好奇心が強い証拠でしょう。
ただし、好奇心だけでは仕事に遠心力が働いてしまいかねません。好奇心と並んで大事なのが「変化対応力」です。私たちの先輩である元社長・会長の八尋俊邦さんは、成功するサラリーマンの条件として「ネアカ、のびのび、へこたれず」という名言を吐きましたが、これこそ変化対応力の源泉です。
仕事の領域がきわめて広く、地理的にも広範な地域に散らばっているのが三井物産の特徴です。それに加えて、仕事の内容は刻々と変化しています。会社が姿を変えるのにともない、社員は本来、働く地域や分野をフレキシブルに変えていかなくてはなりません。
ところが、従来の商社には、いったんある担当部門に入ったら役員になるまでずっと同じ部門を担当するという習慣がありました。当社では2008年からこれを見直して、異なる営業分野間で100人ほどの大がかりな異動を実行しました。今年は営業とコーポレート部門間の人事交流も進めます。
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