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2009年 10月 4日

「ふるさと納税」で現代アートを活性化しよう!

ビジネスマンのための「現代アートABC」【第37回】

「ふるさと納税」を使い、積極的に展覧会を身近に感じ、「私の展覧会だ!」と感じる幸せを手にいれようと思っています。

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プレジデントロイターで連載の場所を頂戴し、ビジネスマン・ビジネスウーマンの皆さまに、現代アートは決して難しいものではなく面白い、ということをいろいろな事例を紹介しながら書いてまいりましたが、最終回の今回は、現代アート活性化する切り札というべき、提案をしたいと思います。

先の衆議院選挙では、民主党の歴史的圧勝を受けて、政権交代がなされました。選挙は、私達、市民の義務であり、投票行動の1票が政治を動かすことが出来る大きな力です。昨年、実は、同じような力を発揮するであろう、1つの議員立法が国会を通過しました。「ふるさと納税」です。

ふるさと納税のしくみ
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ふるさと納税のしくみ

「ふるさと納税」制度は、居住地以外の「ふるさと」に貢献や応援をしたいという納税者の思いを実現するため、応援したい地方自治体への寄附を通じて、その寄附額(5000円を超える額)の一定限度を居住地の個人住民税・所得税から控除できる制度です。これは納税の義務を持っている私達が、納税先そして使い道を選べる画期的なものです。寄付とは違い、税金がどのように使われるか、を選ぶことが出来るものです。

東京のような大都会に住んでいると、自分の払った税金がどのように使われているかを実感することは少ないと思います。しかし、小さい自治体ならば、それがどこに使われているのかが分かりやすいのです。私達一人一人が国民の義務を果たして、支払う税金の使い道を選べることは、大きな進歩だ、と私は思います。そして、それがアート支援という目的にも使うことが出来るようになったのです。

新潟県の十日町市と津南町で3年に1度開かれている現代アートの作品展、越後妻有アートトリエンナーレは、今年で4回目を迎え、35万人以上が訪れましたが、今回初めて「ふるさと納税」が活用され、約2600万円(2009年9月末時点)を集め、現在も進行中です。この「ふるさと納税」を推進しているベネッセコーポレーション代表取締役会長兼CEOの福武總一郎氏にお話を伺う機会がありました。越後妻有アートトリエンナーレでは、ウェブサイトにある「ふるさと納税」のアイコンをクリックすると、アート検索のウェブにいきます。そこには越後妻有アートトリエンナーレで実際に作られた作品の画像があり、その作品を選んで「個別にこの作品のために」ということを選べますし、全体に対して納税したい場合は「越後妻有アートトリエンナーレ本体へ」と選べます。

福武会長は「僕は、現代アートで何をしているかというと地域作りをしているんですよ。地域作りこそ、本当に楽しいこと。人生の達人たるお年寄りがアートトリエンナーレで都会から作品を見にくる人と交流して、道案内したりして、笑顔になっていくのを見るのが、楽しい。「ふるさと納税」で作品や越後妻有に対する愛着が出てくる。地域作りに参画した喜びを都会に住んでいる人に知ってもらいたいんですよ。」と日焼け顔で語ってくださいました。

話が飛んで恐縮ですが、最近、幸せとは何か、を考えることが多くなりました。一時のように「お金さえあれば幸せになれる」と考える人は今では少数派だと思います。人によっては仕事こそ生きがい、仕事が上手くいくととても幸せ、という人もいるでしょう。いや、生涯の伴侶を得る結婚こそ、幸せだという人もいるでしょう。私などは、ぬくぬくした部屋で、食べるものがあって、愛猫が幸せそうに昼寝している姿があれば、心の底から幸せを感じることが出来ます。また素晴らしい作品を作っているアーティストと一緒に食事に行って、作品を作る時の苦労や失敗談を聞き、さらにこれから作りたいと思っている作品についてのアイデアなどを聞く瞬間がクリエイティブの瞬間に立ち会っているような気がして、とても充実した気持ちになります。

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プロフィール

山口 裕美

Yumi Yamaguchi●アートプロデューサー&アートジャーナリスト。アーティストをもっとも近くから応援するその活動から「現代アートのチアリーダー」の異名を持つ。ウェブサイト、トウキョウトラッシュを主宰。アート系NPO法人芸術振興市民の会(CLA)理事。エレクトロニックアートの祭典「eAT金沢99」の総合プロデューサー、2004年ARS ELECTRONICA ネットビジョン審査員。著書に「TOKYO TRASH web the book」(美術出版社)、「現代アート入門の入門」(光文社新書)、「COOL JAPAN-疾走する日本現代アート」(BNN新社)、「芸術のグランドデザイン」(弘文堂)、「Warriors of Art」(講談社インターナショナル)、最新刊「The Power of Japanese Contemporary Art」(アスキー)がある。

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