部課長の基本
2009年 10月 10日

新人が4時起床で臨む「朝の打ち合わせ」

野村証券編(1)

「朝の打ち合わせ」は新人研修の一環で、毎朝インストラクターが新入社員を相手に日経新聞の読み合わせをする。

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野村証券に入社した新人は毎日必ず明け方に目を覚ます。通常は午前4時。起きたらすぐにポストへ。配達されたばかりの日経新聞を開き、重要な記事には赤いペンで線を引きながら、じっくりと読む。読み終えた後は先輩社員との朝礼に備えて、メモを作成するのも日課だ。

出社は午前6時30分前後。インストラクターである先輩社員が来ると、すぐに「朝の打ち合わせ」が始まる……。

新人はあちこちに線を引いた日経新聞以外に、四季報や株価チャートなどを準備して打ち合わせに臨む。
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新人はあちこちに線を引いた日経新聞以外に、四季報や株価チャートなどを準備して打ち合わせに臨む。

「朝の打ち合わせ」は新人研修の一環で、野村証券の各部、各支店では毎朝、インストラクターが新入社員を相手に日経新聞の読み合わせをする。インストラクター制度が社内でスタートしたのは1971年だが、先輩が新人に経済記事の読み方を教えることはそれよりはるか以前から行われている。

私が見学したのは先輩、新人ともに抜群の営業成績を挙げている川口支店だ。開始は午前7時。インストラクターの前田大輔氏はふたりの新人、徳永潤哉、知見孝介両氏と挨拶もそこそこに打ち合わせを始めた。

「じゃあ、注目記事を解説してくれ」

ふたりはそれぞれ自分が重要だと感じた経済ニュースを読み上げ、その後、彼らなりの解説を加える。じっと話を聞いていた前田氏は講評を始めた。

「君たちが記事をよく読んでいることはわかった。だが、説明が長い。もっと要点を絞って話すこと。お客さんは君たちの話を長々と聞く時間はない。それと、企業の動向だけでなく世界の動きにも関心をもって読む。大きな視点で仕事をしないと成長しないぞ」

的確なアドバイスをする前田氏は入社4年目の社員である。他社ならまだ新人に毛の生えた程度の存在だ。だが、野村証券では、デキる社員には早いうちから部下を指導させる。
「朝の打ち合わせは新人だけでなく、私にとっても研修です。教えることで自分も学びますから」(前田氏)

プロフィール

野地 秩嘉

ノンフィクション作家

1957年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業。美術プロデューサーを経て作家へ。『キャンティ物語』(幻冬舎文庫)など著書多数。監修・構成した『成功はゴミ箱の中に』(プレジデント社)が10万部のベストセラーになる。

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