暮らしの裏ワザ事典
2009年 11月 28日

尿路結石

カルシウム結石と尿酸結石は食生活の欧米化に伴い、年々増加している。

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生涯罹患率、男性で10人に1人となっている「尿路結石」。男女比は2.4対1で男性に多く、まさに生活習慣病のひとつ、と言って過言ではない。

腎臓から尿管、膀胱、尿道に至る尿の通り道(尿路)に石ができる病気である。症状は「背部の違和感」「血尿」が多く、尿管で結石が動くと激痛が走り、背部痛、脇腹痛、下腹部痛と石が下がるに従って痛むところが違ってくる。膀胱まで石が落ちてしまうと、頻尿、尿意切迫感、残尿感、放散痛といった症状になる。

尿管に石が詰まった場合、腎臓に尿がたまって水腎症に結びついてしまう。腎臓で作られた尿を尿管へ送り出す腎盂(じんう)の内圧が上昇し、脂汗をにじませるほどの激痛になる。この場合は、救急車で病院へ運び込まれることが多い。

激痛に結びつく尿路結石は、大きく5種類に分けられる。(1)「シュウ酸カルシウム結石」、(2)「リン酸カルシウム結石」、(3)「尿酸結石」、(4)「リン酸マグネシウムアンモニウム結石」、(5)「シスチン結石」――。

(1)と(2)はカルシウムを主成分とした「カルシウム結石」で、全体の80%を占め、これに尿酸結石を加えると90%に上る。あとはそれほど多くはないのが現状である。

カルシウム結石と尿酸結石は食生活の欧米化に伴い、年々増加している。

血液中の尿酸値が高いと、高尿酸血症、その先に痛風が待っている。いずれの場合も尿酸結石ができるのだが、それとともにシュウ酸カルシウム結石もできるのである。そのような人々は、尿酸値が高く、また、中性脂肪値も高い。だから、生活習慣病なのである。

治療は「薬物療法」「体外衝撃波結石破砕術(ESWL)」「経尿道的結石破石術(TUL)」「経皮的結石砕石術(PNL)」「開放手術」。患者の状態、患者の石の種類を考え、十分な話し合いのうえで的確な方法を決めるべきである。

今日、ESWL、TUL、PNLが多く行われている。

ESWLは体外から衝撃波を結石に集中するようにあて、その力で石を細かく砕く。TULは尿道から内視鏡を入れて石のあるところで内視鏡の先からレーザーを照射して石を砕く。入院が必要な手術である。そして、PNLの場合は腎臓結石。患者の背中から腎臓にむけて孔(あな)を開け、そこから内視鏡を入れて石を砕く。

どこにできた結石でもESWLという風潮は日本で顕著だが、それはけっしてよい判断とはいえない。総合的に最良の選択をすべきである。

【食生活のワンポイント】

尿路結石も「メタボリックシンドローム」の中にある「糖尿病」「高血圧」「高脂血症」に並ぶ疾患として、もっと注意すべきである。できれば、糖尿病などと共にメタボリックシンドロームの診断基準のひとつに入れるべきという声も大きくなっている。生活習慣病として予防するには、以下の項目をしっかり守ってほしい。

(1)1日2リットルの水分摂取を!
 水だけでは飲めない人は、ウーロン茶、ほうじ茶、麦茶などでとるとよい。

(2)1日30品目のバランスのよい食事!

(3)適度な運動!
 1回30分くらいのウオーキングを1日2回が目安である。

(4)適度なお酒!
 ビールは尿酸値を上げるというが、アルコールはすべてその傾向がある。ただし、日本酒に換算して1日1合程度なら、まったく問題はない。

(5)コーヒー好きはミルクコーヒーに!
 コーヒーには結石のもとになるシュウ酸が多いので、飲むときはストレートではなくミルクを入れる。これでシュウ酸が体内に吸収されずに排出される。また、ホウレンソウはゆがいてシュウ酸を減らして食べるのが基本である。

プロフィール

松井 宏夫

医学ジャーナリスト

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